本記事は、吉野 創氏の著書『自分ものさし仕事術』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=christianchan / stock.adobe.com)

感謝があなたの行動を強くし、行動だけが人生を変える

「上司から指示されたこと以外のことはやらない」
「なるべくミスをしないように余計なことはやらない」

こんな働き方をしている人を見かけたことはないでしょうか。

実は私自身も、こんな働き方をしていた時期がありました。

新卒で入社したばかりの私は、

「ミスをして問題を起こしたらどうしよう」
「上司から怒られるのがこわい」

こんなことばかり考えて、とにかく「自分から何か行動を起こすのはやめよう」と、とても消極的な働き方をしていました。

しかし、今、このような過去の自分に何か言えるとすれば、

「ミスを恐れて何もしない人生にどれほどの価値があるのか」

と、伝えたい、と心から思います。

なぜなら、仮にミスをしたとしても、そこから必ず何かを学び取ることができるということが、実体験から身にしみてわかったからです。

そうなれば、それはもはや「ミス」ではなく「成長」と言ってもいいぐらいです。

アメリカ合衆国の元大統領セオドア・ルーズベルトの言葉に、

「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ」

とあるように、何もしなければミスもしませんが、その代わり何の成長も得られないということになるのです。

別の側面から考えると、「何もしない人生」というのは、周りの環境に依存した人生とも言えないでしょうか。

周りの環境に頼り、全ての判断をゆだねていれば、自分は何も考えず、何もしなくていいのですから、無理に自分から動く必要もありません。

しかし、「自分理念」を持つと、そうした消極的な依存状態の中では、自分自身の人生を主体的に生きていくことができない、ということがよく理解できると思います。

自分で考え、実際に行動することだけが、人生を変えていくことができるのです。

では、自分から行動を起こせるようになるには、どんなことが大切なのかを考えた時に、私が最も大切だと思うことを1つだけ挙げるならば……

それは「感謝」です。

この「自分理念」をつくっていく過程では、さまざまな気づきを得られるようになります。その中の最も大きな気づきは、おそらく自分自身が周りから助けられて「生かされている」ということになると思います。

今の自分が周りに依存していて、その上で、さまざまに助けられていることに気づくこと、そしてそのことに感謝することができれば、成長への大きな一歩となります。

会社が存在していること、自分が働く場所があること、上司が仕事を助けてくれること、同僚が一緒に働いてくれること、お客様がいること、家族がいること……、よくよく考えていくと、これらは決して「当たり前」のことではありません。

その存在に感謝することを改めて意識していくだけでも、仕事の捉え方も、これからの生き方も変わってくるはずです。

そんな存在に生かされていることに感謝の念を持ちつつ、その人たちのためになる行動を、1つでも多く自分から起こしていくように心がけていくと、自分の変化に気づくことでしょう。

そして、行動を起こし続けていけば、5年後あるいは10年後、何もしなかった人との結果に大きな差が出てくることは、間違いありません。

自分ものさし仕事術
吉野 創(よしの・はじめ)
株式会社トゥルーチームコンサルティング 代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会 代表理事 北九州大学法学部卒業後、ジーンズメーカー大手EDWINで営業に従事。その後、経営コンサルティングファームにおいて約300社の財務分析と管理会計の構築ノウハウを習得。マネジメント責任者、支社長などを歴任し、コンサルタントの育成にも携わる。人や組織に、さらに深く関わる合宿や研修を延べ5,000人へ実施。社員が自発的に動く成長ノウハウを見出し、体系化。 2014年「株式会社トゥルーチームコンサルティング」を設立。指示なしでも社員が動く組織づくりは、経営者の組織と業績の悩みを同時解決する手法として公式認定され、「自走式組織®」として2018年に商標登録。100社以上の「自走式組織®」を生み出し、クライアントは3年で売上2.1倍、経常利益4.3倍、わずか1年で粗利益率7.9%改善や、離職率を0%にするなど多くの成功事例を持つ。 自身の経験から、特にマネジメント層の思いに寄り添う人間味溢れる支援が強み。業績がアップするだけでなく、働く社員のやりがいと一体感のある理想の組織になったと多くの経営者から厚い信頼を受けている。 著書に『売上を2倍にする 指示なしで動くチームの作り方』(ぱる出版)がある。
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