EVシフトで自動車の世界再編は避けられない

20年ほど前からは日本はHV、米国や中国市場はガソリン車、欧州市場はディーゼル車と地域別の棲(す)み分けができていた。だから、米国と欧州でそれぞれ違うパートナーと提携関係を結ぶのは当たり前だったし、むしろ不可避だったと言ってよい。

しかし、EVは「世界製品」化しており、世界中で同じモデルが売れる状況だ。かつての携帯電話は各国でバラバラが当たり前だったが、スマートフォンが主流になると米アップルが販売する「iPhone」のように世界中でワンモデルを販売するのが当たり前になった。EVでも同じことが起こる可能性が高いだろう。

そうなるとEVシフトで生き残るには、M&Aによる世界再編しかない。1990年代後半から2000年代前半にかけて、ルノーと日産、米フォード・モーターとマツダ<7261>、独ダイムラーと三菱自動車<7211>はじめ、世界中で業界再編が起こっている。自動車業界は世界再編の波に何度もさらされてきた。日産とホンダの提携が将来の合併に結びつくかどうかで、EVシフト後の生き残りを大きく左右することになりそうだ。

文:M&A Online