メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「ミニトリプル安。団子天井から下落、6月2日大統領選挙」メキシコペソ見通し

予想レンジ 9.0-9.5

 (ポイント) 
*6月2日大統領選挙
*年間首位から2位へ後退
*年初来高値更新しから団子天井を経て急落
*ミニトリプル安
*米墨インフレ格差、金利差、景況感格差の指標でデコボコな動き
*トランプ大統領候補の有罪判決はメキシコにどう影響するか
*中銀は6月利下げ議論開始示唆も、5月前半消費者物価は高止まり
*中銀四半期報告書ではインフレ予想を引き上げ
*次期政権の財政赤字拡大が格付けリスク
*大統領選、与党シェインバウム氏がリード
*最近はやや経済指標は弱いが、ニアショアリングは健在
*郷里送金も水準が高い
*IMFに下方修正されたGDPが重し
*フィッチ、メキシコの2024年の成長予測を2.2%に下方修正

(高値更新後、ミニトリプル安、6月2日に大統領選挙) 
ペソ円は5月21日に年初来高値の9.455をつけてからはじり安。団子天井となって5月29日、30日に急落した。
 ロドリゲス中銀総裁の「6月利下げ議論開始」発言も効いている、米国4月CPIの鈍化やメキシコの5月前半消費者物価上昇で抵抗はしたが米ドルに年間首位を譲った。
 米消費者信頼感指数の上昇と、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の「利上げも排除していない」発言でも米金利と米ドルが上昇、ペソが反落した。
 1Q・GDPは昨年比やや減速した。6月2日の総選挙も近い。ボルサ株価指数は年初来3.54%安と冴えない。10年国債利回りは10.18%へ上昇(債券売られる)。

(メキシコ中銀、利下げ時期巡り意見分かれる=5月議事要旨)
メキシコ中銀は、金利据え置きを決めた5月9日の金融政策会合の議事要旨を公表し、利下げ再開時期を巡り政策委員5人の意見が分かれていたことが分かった。
ある委員は「インフレの停滞状況、リスクバランスの悪化、インフレ率の目標値超えが長引く見通しを踏まえると、現在も今後数カ月間も、政策金利の追加的微修正は行えない」と述べた。
 別の委員はサービス価格インフレが予想以上に根強く、インフレ率の低下スピードが遅くなりそうなため、今後の利下げは段階的に行うべきだとし、「金利決定はインフレ見通し次第だ」と述べた。
大半の委員は2Q、および3Qに経済活動が再び活発化するとの見通しを示した。

(メキシコ中銀、インフレ予想上方修正 物価状況踏まえ金利を調整)
中銀はインフレ率目標を3%(プラスマイナス1%)としている。
中銀は現在、4Qの平均年間インフレ率が4.0%になると見込んでいる。2月の前回報告書では3.5%と予測していた。
年間コアインフレ率の予想は前回の3.5%から3.8%に引き上げた。コアインフレ率は5月上旬時点で4.31%だった。
中銀は報告書で「理事会はインフレ圧力を注意深く監視し、今後はインフレ見通しを評価して政策金利の調整について議論する」と説明した。

(4月失業率、雇用は堅調)
4月の失業率は2.6%となり、前年同期の2.8%を下回り、予想と一致した。3月の2.3%は上回ったが、依然低い数値だ。労働市場が2023年の平均と比較すると依然として堅調であることを示しており、中銀がさらなる利下げを急ぐ必要性は限定的である。失業者数は前年比10万8千人減の160万人、就業人口は90万人増の6140万人となった。

(4月貿易収支、1Q経常収支がともに赤字へ)
4月貿易収支は37.46億ドルの赤字、前月は20.98億ドルの黒字であった。
1Q・経常収支は125.82億ドルの赤字、前期は118.17億ドルの黒字であった。

(トランプ前米大統領有罪)
トランプ前米大統領による不倫口止め料記録改ざん事件の公判で、ニューヨーク州地裁の陪審は5月30日、トランプ氏に有罪評決を言い渡した。返り咲きを目指す11月の大統領選に向けて大きな打撃となる。メキシコの政治経済への影響も追っていきたい。

テクニカル分析

年初来高値更新後、一服、山なり、そして急落

日足、5月はボリバン2σ下限から上限へ上昇、年初来高値を更新したが、その後は山なり状態から急落した。5月6日-30日の上昇ラインがサポート。5月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く。20日線上向き。
週足、5月13日週-20日週の上昇ラインを下抜く。4月22日週-5月6日週の上昇ラインがサポート。5月20日-27日の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
 月足、4か月連続陽線、5月もここまで陽線。1月-4月の上昇ラインがサポート。2008年8月-2024年4月の下降ラインを一時上抜くも再び下降ラインの下へ戻る。 
年足、23年で3年連続陽線。今年もここまで陽線。14年-22年の下降ラインを上抜く。22年-23年の上昇ラインがサポート。

メキシコペソ見通し
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VAMOS MEXICO

USMCA協定の見直しへ会議

メキシコ・米国・カナダ協定(USMCA)の自由貿易委員会(CLC)は、2年後に予定されている第4次協定の終了時に協定の見直しに備えて、協定の「完全実施」に向けた取り組みを強化しようとしている。協定発効からほぼ4年を経て開催されたこの会議には、米国のキャサリン・タイ、メキシコのラケル・ブエンロストロ、カナダのメアリー・ンという3か国の貿易担当大臣が出席した。
共同声明の中で、3大臣は「北米経済が引き続き競争力と堅固で幅広い成長のモデルとなるよう、完全な実施を促す努力を倍加させる」よう指示したことを強調した。
その後、彼らは、この協定は2026年に3カ国によって見直されなければならないこと、そしてこの期間に「協定の完全な実施に向けて前進すること」が重要であることを指摘した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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