この記事は2024年6月20日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2024年6月20日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日19日(水)の米ドル/円は、政府・日銀による円買い介入前日4月28日以来の158円台でクローズした。
昨日19日(水)、日銀が公表した4月の金融政策決定会合の議事録で円安リスクや追加利上げを議論したことが明らかになったが、円買いの反応は見られずむしろ海外市場にかけて円売りが優勢となった。一昨日18日(火)には植田日銀総裁が7月の追加利上げについて「十分あり得る」と発言したが、これも円安を止める材料にならなかった。
市場は、仮に日銀が政策金利を小幅に引き上げても金利水準からインフレ率を差し引いた「実質金利」はマイナス圏にとどまることから、現状では利上げに円高を止める効果はないと見ているようだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
本日20日(木)の米ドル/円は先週14日(金)の日銀金融政策決定会合直後に付けた約1カ月半ぶりの高値158.26円前後を意識した相場展開になると見られ、上抜ければ一段高の可能性が高まりそうだ。もっとも、この水準を超えると円買い介入再発動への警戒感もじわりと上昇することになるだろう。このため、東京市場では底堅く推移しつつも上値試しのムードは高まりにくいと見る。
そうした中、祝日明けのNY市場で発表される米新規失業保険申請件数に注目したい。先週13日(木)には申請件数の予想外の増加でドルが急落する場面もあったが一時的だった。週次のデータだけに申請件数の振れが大きくなるのは珍しくない。今回持ち直せば米労働市場を巡る懸念が和らぐ格好でドルが上昇するだろう。
一方、反対に2週連続で予想以上に増加するようなら利下げ観測を強めかねないことからドルが下落する可能性もある。なお、本日20日(木)の米新規失業保険申請件数は12日を含む前週分のもので、これは6月の雇用統計に関する調査が行われた週にあたる。
▽米ドル/円 日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。