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(画像=株式会社wevnal)
磯山 博文(いそやま ひろぶみ)
株式会社wevnal代表取締役
2008年大手インターネット企業に新卒入社。 2011年4月に株式会社 wevnal を創業。 2023年シリーズBの資金調達と祖業の広告事業をM&Aで譲渡。BXプラットフォーム「BOTCHAN」に注力し、 現在では800社以上に導入 直近ではMicrosoft社と連携を強化し、最先端のAI技術を組み合わせたチャットボットを展開中
株式会社wevnal
当社は、自社プロダクト【BOTCHAN】を用いたチャットフォーム事業を展開しており、消費者および企業のLTV最大化を、ブランド体験(Brand Experience)の向上を通じて実現する“BXプラットフォーム”です。マーケティング領域に取り組むSaaS企業として、顧客のLTV最大化に向けた支援をしており、新規獲得からCRM領域に至るまで一気通貫での対応が可能です。また最先端のAI技術を組み合わせることで、更なる効率化とパーソナライズされた顧客体験を提供しています。

目次

  1. これまでの経歴や事業変遷
  2. 採用について
  3. 成長ドライバーについて
  4. PDCAを回す上で重要視していること
  5. 今後の経営・事業戦略や展望
  6. ZUU onlineのユーザーに⼀⾔

これまでの経歴や事業変遷

ーー まず初めに、これまでの経歴や事業編成についてお伺いできればと思います。

株式会社wevnal 代表取締役・磯山 博文氏(以下、社名・氏名略):私は2008年のリーマンショックのタイミングに、大手インターネット企業に就職し、新規事業の立ち上げに携わりました。そこで新卒として3年間働いた後、2011年に同期と共に株式会社wevnalを創業し、経営者として会社の立ち上げを行いました。

事業の変遷としては、私たちが広告代理店やマーケティング領域にノウハウと知見があったため、当初はSNSの広告事業を展開していました。その後、創業から7年で取扱高が20億円規模まで成長し、新規サービスとして顧客体験の向上を目的としたチャットサービス「BOTCHAN」をローンチしました。

ーー 2018年にチャットサービスを立ち上げたということですが、その後の資金調達や事業の進展について教えてください。

磯山:2021年にシリーズAで6億円、2023年にシリーズBで20億円の資金調達を行いました。そのタイミングで、SNS広告代理事業を上場企業のホットリンク社に譲渡し、チャットサービス事業に注力することになりました。

最近では、生成AI領域に力を入れており、顧客体験の向上だけでなく、顧客対応の自動化にも取り組んでいます。Microsoft社と事業連携を行いながら、生成AIを活用したチャットサービスの強化に注力しています。

採用について

ーー ありがとうございます。チャットサービス事業にピボットされたことが、貴社にとって大きな転換点だったかと思いますが、会社を大きくするにあたっての現在の課題感もお聞かせ願えますか?

磯山:やはり採用面が大きな課題ですね。当社のプロダクトには6つのサービスがあり、社内のエンジニアメンバーの比率はまだ少ないです。ユーザーのストレスになってしまうポイントや、サービスページの顧客体験の部分には、まだまだ改善の余地がありますし、サービス提供をより良いものにするためには、人材の確保と採用の強化が重要だと考えています。

ーー 新卒採用についてはどのように進めていますか?

磯山:新卒採用は2017年から取り組んでいます。当時は社員数が40名程度でしたが5名ほど採用しました。その後も毎年同人数程度採用しています。中途採用は1年で50〜60名と多く、即戦力の採用を強化しています。

また、組織の急拡大に伴い、幹部採用も強化しています。6年目や7年目の新卒社員からも、幹部メンバーがどんどん出てきています。ミドルマネージメント層やハイレイヤーの幹部層も含め、今後も採用を強化していく予定です。

ーー 事業サイドでの伸びしろはどのようなところにあると感じていますか?

磯山:すべての領域で伸びしろがあります。当社はこれまでD2CやEC企業様を中心にビジネスを展開してきましたが、生成AIの取り組みを始めたことで、他の業界への展開も可能になってきました。

そのため、新規領域や新規マーケットの開拓に力を入れるために、セールスやマーケティングの力が必要です。また、これまでにない業界での改善事例やノウハウの構築も求められるという点では、カスタマーサクセスやデザインの機能も必要になります。つまり、エンジニアだけでなく、マーケティングやセールス、カスタマーサクセスなど、全領域において伸びしろがあると感じています。

ーー そうした課題感がありつつも、人が取れないと言われているこの時代において、1年間で中途採用として50〜60名ほどの人材を採用できているのは、とてもすごいことだと思いますが、順調に進んでいる要因はどこにあるのでしょうか?

磯山:うまくいっているとは思っていませんが、創業から人や組織に力を入れる文化があり、人事部門を中心とするメンバーが頑張ってくれていることが大きな要因だと思います。

また、このマーケティング領域において、広告代理事業を行う企業が数多くいる中で、当社が顧客体験やブランド体験に一定のノウハウを蓄積しているところが、より効率的に成長できるマーケティング業界の次の姿を見せられているのではないかと思っています。

さらに、そうした体験領域に力を入れつつも、新たなビッグマーケットである生成AIを、Microsoft社と提携しながら、ユーザー様に直接使ってもらうサービスまで落とし込んでいるテクノロジーの先進性が、採用候補者に共感・期待を持たれているポイントだと思います。

ーー ありがとうございます。今後はどのような方に参画して欲しいと考えていますか?

磯山:私たちは顧客体験やブランド体験を重視し、新しいビジネスを作り上げていきたいと考えています。顧客の課題を解決する新しい産業やサービスがこれからのビジネスの本質になると思っており、チャレンジ精神を持つ人たちと一緒に働きたいと考えています。まだまだ課題はありますが、共に成長していける仲間とともに、新たな市場を切り拓いていきたいと思っています。

成長ドライバーについて

ーー 磯山社長、過去にいろんな変遷がありましたが、貴社のこれまでの一番の成長ドライバーについて教えていただけますか。

磯山:やはり人だと思います。

当初の創業メンバーは、前職のインターネット企業の同期から形成されていたため、ある程度の考え方が似ていました。しかし、wevnalという会社名の由来である、「web」「wave」「signal」の3つの造語から、世の中の課題を解決し、トレンドの中で灯台となれるようなビジネスを提供するためには、既存の広告事業だけでは足りないと感じていました。そのため、幹部となるようなメンバーを採用し、人を変えて、組織を変えて、事業を変えていきました。

私は、顧客の課題にどういうサービスを提供することで、世の中を変えていけるのか、顧客にとってプラスになるのかということを常に模索しています。共感してくれた幹部やメンバーが新しい価値観やカルチャーを会社に注入してくれることで、提供できる価値がどんどん広がっていくと感じています。

PDCAを回す上で重要視していること

ーー 磯山社長、wevnalにおいてPDCAサイクルを意識している点は何ですか?

磯山:正直、組織としてPDCAを回す力はそれほど強くないと思っています。

そんな中でも特に最近意識しているのは、定性的な感覚だけで判断しないことです。当社は創業メンバーが3人おり、それぞれの意見や現場メンバーの主観的な発言が交錯することで、結局誰の意見に従えば良いのか分からない状況がありました。

ただ、最近では、データ管理が上手くなってきていて、定量的なデータを基に改善ポイントを議論し、集中して取り組んでいます。事業の目標設定を統一し、各事業のデータを見ながら改善していく方針になりつつあります。

ーー そういったデータを活用して事業を運営するようになったきっかけは何ですか?

磯山: 会社のフェーズが上がり、人数が増えてきたことが大きな要因かと思います。30人から50人ぐらいの規模だと、顔を合わせて話すことができますが、プロダクトが6つに増え、人数が150名になると、共有する時間や会話の量が分散してしまいます。そこで、定量的なデータを見ながら現状を捉え、改善していくことが重要だと感じました。

また、資金調達を行い、外部の株主が出てくる中で、ガバナンスや経営管理が重要になってきました。

ーー やはり投資家からのアドバイスや、外部の人からの影響もあるのでしょうか?

磯山: はい、投資家の方々からのアドバイスや、株主をはじめとする外部の方が弊社の組織をブラッシュアップする助けとなっています。資金調達をきっかけに、勢いだけでなく計画性を持って戦略的にビジネスを進めていくことが求められています。

株主の皆様は本当に素晴らしい方々で、データを使って現状を説明できるように努力しています。ガバナンスや運用の改善も非常に重要だと感じています。まだまだできていない部分もありますが、徐々に改善していくつもりです。

今後の経営・事業戦略や展望

ーー 今後の経営や事業戦略、やりたいことについてお聞かせいただけますか?

磯山: 今後は生成AIの革命を推進しなければならないと考えています。今取り組んでいるチャットサービスによって、顧客体験の向上やストレス軽減が実現できると手応えを感じています。今後3年後には、この市場が何十倍にもなり、1兆円規模にまでなると思います。私たちのビジネスが生成AIの革命の旗印になるような企業になりたいですね。

ーー 御社が強みを持っているD2CやEC分野は、そのまま世界に展開できる可能性がありますし、生成AIを活用したチャットボットについても、マーケから購買へのCRM以外の領域で展開できる可能性があると感じました。

磯山: そうですね。私たちは会話データや顧客とのコミュニケーションを6年間研究し、ユーザーの態度変容やストレス軽減を実現するノウハウを蓄積してきました。これが当社の強みです。このデータを活かすことで、顧客とのコミュニケーションや心地よい接客を自動化し、企業にとってはコストを効率化し、利益を最大化することができると考えています。

また従来よりを当社が注目していたエクスペリエンス領域が、生成AIの台頭によって加速しつつあるので、日本のD2CやEC以外での領域にも展開したいです。その上で、こうした顧客体験の向上の事例を提げて、日本の丁寧な接客やおもてなしの文化が、世の中のスタンダードになれば、とてもワクワクするので、そういったことに取り組んでいきたいですね。

ZUU onlineのユーザーに⼀⾔

ーー それでは、最後にメディアの視聴者に一言いただければと思います。

磯山: 私は生成AIが今後のビジネストレンドになると考えています。生成AIを活用することで、ビジネスの爆発的な成長に寄与すると確信しています。

もし生成AIを活用してみたい広告代理店やコンサルティング会社がいれば、共同ビジネスという形も取れるかと思いますし、事業会社とのオープンイノベーションやパートナーシップも積極的に進めていきたいと考えていますので、ぜひご気軽にお声がけください。

また、生成AIに興味がある方は、採用を強化していますので、ぜひご応募いただければと思います。

氏名
磯山 博文(いそやま ひろぶみ)
会社名
株式会社wevnal
役職
代表取締役