500万円で始める投資信託の種類と選び方、注意点と購入までの流れ
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500万円などのまとまった予算で投資信託を始めたいが、どの銘柄を選べばよいか迷ってしまう。

そのような人も多いのではないでしょうか。

500万円を安定的に運用したり、目標の利益を達成したりするために必要な知識としては、投資信託の種類や、投資信託を始めるメリット・注意点などがあります。

本記事では、これらの内容について初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 投資信託は分散投資ができるので初心者に向いている
  • ネットに強い人はネット証券で投資信託を購入するのがおすすめ
  • 投資信託の購入前にコストを必ず把握しておくことが必要

目次

  1. 500万円で投資信託を始める際の種類の選び方
  2. 500万円を投資信託に投資する場合のメリット4つ
  3. 500万円で投資信託に投資する場合の注意点4つ
  4. 500万円で投資信託を購入するまでの流れ
  5. 500万円で投資信託を運用する際におすすめしたい戦略
  6. まとめ|500万円で投資信託を始める前にシミュレーションを

500万円で投資信託を始める際の種類の選び方

500万円で始める投資信託の種類と選び方、注意点と購入までの流れ
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500万円の予算で投資信託を始める場合、目標の利益を確保するには、まず種類の違いを知る必要があります。

以下で投資信託の種類と違いを解説します。

1.インデックスファンドとアクティブファンドの違い

投資信託の運用手法には、「インデックスファンド(パッシブファンド)」と「アクティブファンド」の2種類があります。

・インデックスファンドとは

インデックスファンドとは、対象とする指数(インデックス)と連動する値動きを目指す投資信託です。

指数の例としては、東証株価指数(TOPIX)やS&P500種指数などがあります。

・アクティブファンドとは

アクティブファンドとは、目安となる指数(ベンチマーク)を上回る運用成績を目指す投資信託です。

銘柄ごとのファンドマネージャーの運用方針や分析に基づいて運用されます。

一般的にリスクや運用コストが低いのはインデックスファンドです。

そのため、500万円で投資信託を購入する場合、資金の大半をインデックスファンドに割り当て、残りの一部をリスクが高いとされるアクティブファンドで運用すると安定的な運用がしやすいと考えられます。

2.国内投資信託と外国投資信託の違い

投資信託には、適用される法律によって「国内投資信託」と「外国投資信託」の区分があります。

・国内投資信託とは

国内投資信託とは、国内の法律(投資信託及び投資法人に関する法律)に基づいて設定されるもので、国内の金融機関で販売されているファンドの大半がこれに分類されます。

海外の株式や債券などで構成されている銘柄でも、国内の法律に基づいて設定されている場合は国内投資信託となります。

・外国投資信託とは

外国投資信託とは、海外の法律に基づいて設定されるファンドを指します。

国内投資信託とは異なる商品特性や為替リスクがあるため、購入時は細心の注意が必要です。

一般の個人投資家が500万円で投資信託を購入する場合、仕組みが理解しやすい国内投資信託を中心に運用することをおすすめします。

なお、投資対象地域によって、「国内型投資信託」と「海外型投資信託」を区分する方法もあります。

たとえば、主な投資収益が国内の資産による場合、「国内型投資信託」と区分するような考え方です。

3.公社債投資信託と株式投資信託の違い

投資信託には、組み入れている資産の種類によって、「公社債投資信託」と「株式投資信託」の2種類があります。

・公社債投資信託とは

公社債投資信託とは、国債や社債などの公社債で構成されたファンドを指します。

株式は一切組み込むことができません。

そのため、500万円で公社債投資信託を購入した場合、その全額が公社債に投資されることになります。

・株式投資信託とは

株式投資信託とは、株式を組み入れて運用することが可能な投資信託を指します(公社債を組み込むことも可能)。

500万円の予算で投資信託を購入する場合、リスクとリターンの目標によって選択や比率が変わってきます。

ローリスク・ローリターンで運用したい場合、一般的にリスクが低いとされる「公社債投資信託」の比率を高めるといった選択肢があります。

ただし、実際には、株式の比率が低かったり、株式を組み入れずに運用していたりすることもあるため、ポートフォリオを確認することが重要です。

4.ETF(イーティーエフ:上場投資信託)とは

500万円をなるべく安い信託報酬で運用したい人に向いているのがETFです。

ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、パッシブファンドのように指数(TOPIXや日経平均株価など)と連動するのが特徴です。

ETFの売買方法や課税方式は株式とほぼ同じであるため、普段から株式投資をしている人にとっては、スムーズに売買しやすいという特徴があります。

5.REIT (リート:不動産投資信託)とは

REITとは、大勢の投資家から集めた資金で不動産を購入・所有し、それによって得られる家賃収入や売却益を投資家に分配する投資信託のことです。

REITは、金融資産で構成される投資信託とは異なる値動きをするため、500万円で投資信託を始める場合、その一部の金額をREITに振り向けることで分散投資の効果が期待できます。

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6.コモディティ(商品)型の投資信託とは

コモディティ型の投資信託とは、金や原油、穀物などの価格や値動きを示す指数と連動することを目指すファンドです。

REITと同様に、金融資産で構成される投資信託とは異なる特徴を持ち、500万円の一部をこれに振り向けることで分散投資の効果が期待できます。

500万円を投資信託に投資する場合のメリット4つ

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500万円で投資信託を購入した場合のメリットは主に以下の4つです。

1.予算に合わせて購入できる

投資信託には、個人投資家の予算に合わせて運用できるというメリットがあります。

予算が1万円の人でも、500万円の人でも同じ銘柄を運用することが可能です。

また、投資信託は購入の自由度が高く、500万円で投資信託を購入する場合、1銘柄に全額を投資することも、複数の銘柄に分散して投資することも可能です。

500万円で一括購入することもでき、500万円の一部を使って分散投資をおこなうことも可能です。

2.初心者でもリスク分散ができる

リスクを抑えながら資産を運用するには、分散投資が基本となります。

分散投資とは、資産の種類や地域、購入するタイミングなどを分けて投資する方法です。

これにより、一部の資産が値下がりしても、他の資産でその損失をカバーすることが可能です。

たとえば、500万円を株式で運用する場合、分散投資をするためには銘柄を選んだり、状況に合わせて売買をおこなったりするなどの手間がかかります。

一方、500万円を投資信託で運用する場合、1つの銘柄(または少数の銘柄)を積立購入するだけで分散投資の効果が得られます。

3.専門家が運用してくれる

株式や不動産、債権などをご自身で運用する場合、それぞれの投資商品の知識をしっかり学ぶ必要があります。

忙しい方にとって勉強する時間を確保することは大きな負担となります。

しかし、投資信託の場合、金融や経済のプロの専門家が運用を担当してくれます。

投資の初心者が500万円を株式で運用するとリスクがありますが、投資信託で運用するとリスクは限定的です。

※ただし、投資信託の銘柄選びは慎重におこなう必要があります。

4.運用内容の透明性が高い

500万円などのまとまった金額を投資する場合、信頼性のある商品を選ぶことが重要です。

その点で投資信託は、運用内容の透明性が高いため、最適な商品といえます。

投資信託は、決算のたびに監査法人などのチェックを受け、財務内容が明らかにされます。

また、運用会社の営業日に基準価額を算出してそれを公表するため、資産価値や値動きが把握できます。

これらに基づき分配金が支払われているので安心感があります。

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500万円で投資信託に投資する場合の注意点4つ

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投資信託は、株式やFXなどに比べてリスクが低いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、すべての銘柄が安全なわけではありません。

以下のような注意点を認識したうえで慎重に投資をおこなう必要もあります。

1.元本割れのリスクがある

投資信託を含む一般的な金融商品には、元本割れのリスクがあります。

このリスクと引き換えに一定の利回りを得られることを認識しましょう。

元本割れのリスクがないのは、国内の金融機関への預金(元本1,000万円まで+破綻日までの利息)と日本国債などに限定されます。

そもそも元本割れとは、価格変動などによって投資した金額よりも資金が目減りしてしまうことを指します。

たとえば、500万円の予算で投資信託を購入した場合、その後の値動きで評価額が400万円になってしまうような状況です。

このようなリスクがあるため、投資は生活費や教育費などに使うお金ではなく、余剰資金でおこなうことが重要です。

2.コストを確認する

投資信託を500万円などのまとまった金額で購入・運用する場合、コストもそれなりの金額になるため注意が必要です。

投資信託の主なコストには以下のものがあります。

費用の項目 支払い時期 内容
購入時手数料購入時・購入時に販売会社に支払う
・申込金額に一定割合をかけて計算する
運用管理費用
(信託報酬)
保有時・保有額に応じて継続的に支払う
・年率の割合が決まっている
監査報酬保有時・信託財産から間接的に支払われる
・監査に要する費用を投資家が負担する
売買委託手数料株式等の売買時・株式などの売買時に支払う
・発生する度に信託財産から引かれる
信託財産留保額換金時・投資信託を解約する際などに手数料とは別に支払う

投資信託の銘柄によって、これらのコストのうち、「どれが適用されるか」や「どれくらいの金額が発生するか」は異なります。

投資信託を購入する際は、目論見書などで必ず内容を忘れずに確認しましょう。

3.商品内容を確認する

一般社団法人 投資信託協会によると、投資信託(公募投信)の数は2024年6月末時点で5,873本も存在します。

内訳は、株式投資信託が5,788本、公社債投資信託が85本です。

500万円で投資信託を始める場合、この膨大な銘柄の中から自身の目的に合ったものを選択する必要があります。

適切な選択をするためには、投資信託や資産運用に関する知識が必要です。

しかし、初心者は「人気ランキングで上位だから」あるいは「今注目されているテーマの銘柄だから」といった安易な理由で選択しがちです。

大切な500万円を安定的に運用していくために、初心者の方は投資信託の基本知識をしっかり身に付けましょう。

4.総資産の流失が起きていないか確認する

手元資金の500万円で投資信託を購入する前に、必ずチェックしていただきたい項目のひとつに「純資産総額」があります。

投資信託における純資産額とは、その投資信託が保有しているすべての資産の合計額から負債を差し引いた額のことです。

言い換えると、投資家のみんなが共同で持っているお金の総額になります。

一定期間、純資産額が大きく低下し続けている場合、多くの投資家が解約していることを示しています。

この状況が続くと、その投資信託が償還されるリスクが高まり、結果的に元本割れの可能性があります。

純総資産額をチェックする例として、ネット証券で最大手のSBI証券の場合、銘柄情報の運用実績内の「純資産推移(期間別)」の項目を見ると、1週間・1ヵ月・1年・10年など、期間ごとの資産増減がリアルタイムで確認できます。

他のネット証券でも同様の機能がありますので、ぜひ活用してください。

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500万円で投資信託を購入するまでの流れ

500万円で始める投資信託の種類と選び方、注意点と購入までの流れ
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500万円で投資信託を始める人のなかには、「投資信託の正しい購入方法がわからない」という人もいるでしょう。

ここでは、金融機関の選び方や証券口座の開設方法などを解説します。

1.投資信託をする目的を明確にする

500万円の資金を投資信託でうまく活用するためには、実際に購入する前に投資の目的を明確にすることが重要です。

代表的な投資の目的は以下のとおりです。

・ 老後資金を作るため
・ 現在の収入を補完するため
・ 子どもの教育費に充てるため など

目的が明確になると、「運用期間」や「目標金額」が把握しやすくなり、その結果、銘柄選びがしやすくなります。

たとえば、現在35歳の人が老後資金のために、500万円を投資信託に投資をしたいと考えたとしましょう。

運用期間を30年(退職年齢65歳)、目標金額を1,500万円以上に設定した場合、年利回り3.7%程度で運用していくと目標金額を達成できると考えられます。

※この計算は、投資信託の手数料や利益にかかる税金を考慮していない簡易的なものです。

この年利回りを達成できそうな銘柄を選んだり、ポートフォリオを組成したりすることで、目標を現実化することが可能となります。

2.金融機関を選ぶ

これまで金融商品を運用したことがない人が、500万円で投資信託を始める場合、預金口座とは別に専用口座を開設する必要があります。

選択肢としては以下の2つがあります。

A:証券会社に依頼し、「証券口座」を開設する
B:銀行に依頼し、「投資信託口座」を開設する

AとBのどちらが良いかは、その人の属性によります。

たとえば、ネットリテラシーのあるビジネスパーソンには、ネット証券の証券口座を開設することをおすすめします。

さまざまな手続きをネット上で完結できるため、多忙な人と相性が良く、購入手数料が安い傾向があるなどのメリットがあります。

また、手続きや銘柄選びに不安がある配高齢者の方は、メインバンクで投資信託口座を開設することをおすすめします。

実店舗を持つ銀行ならば、困ったことがあった際に窓口で対面のサポートを受けやすくなります。

3.口座を開設する

証券口座を開設する際の一般的な流れは以下のとおりです(ネット経由で口座を開設する場合)。

1. 証券会社のシステム上で口座開設の申し込みをおこなう
2. 証券会社のシステム上で本人確認書類を提出する
3. 口座開設完了通知を受け取る
4. 証券口座の初期設定をおこなう

郵送で口座を開設する方法もありますが、こちらを選択した場合、手続きが郵送でのやり取りとなります。

その分、口座開設までに時間がかかるため、500万円で早めに投資信託を始めたいという人はネット経由での開設がおすすめです。

4.一括購入か、積立投資をするかなどを選ぶ

金融機関の審査にとおり、証券口座(投資信託口座)が無事に開設できたら、実際に500万円で投資信託を購入することが可能となります。

大きく以下のような選択肢があります。

・ 500万円で1銘柄を購入するか、複数の銘柄を購入するか
・ 500万円で一括購入するか、積立投資をするか

一例として、損失リスクの軽減を重視する場合、500万円を複数の銘柄に分散して積立投資をおこなうのが良いでしょう。

ただし、市場の状況や投資期間によっては、500万円で一括購入したほうがリターンが大きくなることもあります。

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500万円で投資信託を運用する際におすすめしたい戦略

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証券口座(投資信託口座)を開設すれば、すぐに500万円で投資信託を運用することが可能ですが、実際に購入する前に知っておくべき戦略があります。

その戦略を解説します。

500万円で投資信託を運用する際におすすめしたい戦略

1.ドルコスト平均法を活用する

高値掴みを避けたい人は、ドル・コスト平均法で投資信託を購入していくのが良いでしょう。

ドル・コスト平均法とは、価格が変動しても関係なく、一定金額を定期的に購入する投資手法です。

価格が低くなったときに購入口数が増えるため、全体の平均単価を標準化できます。

たとえば、500万円の予算でドル・コスト平均法をおこなう場合、500万円の一部を使って毎月決まった銘柄を一定金額で購入していくようなやり方です。

2.コストの低い銘柄を選ぶ

投資信託には購入時手数料や信託報酬など、さまざまなコストがかかります。

特に、500万円などまとまった金額を長期で運用する場合は、銘柄によってコストが大きく変わってくる可能性があります。

同じテーマの投資信託でも、銘柄によってコストが異なるため、比較したうえでなるべくコストが低い銘柄を選ぶことが重要です。

3.NISAやiDeCoを活用する

500万円で投資信託を始める際は、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などの税制優遇のある公的制度を活用することをおすすめします。

NISAの場合、年間投資枠として計360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)が用意されています。

1年目の年間投資枠では500万円のうち、360万円までしか使えませんが、2年目の年間投資枠を利用すれば500万円全額を使い切ることができます。

まとめ|500万円で投資信託を始める前にシミュレーションを

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このコラムでは、500万円の予算で投資信託を始める際、リスクを抑えながら目標の利益を確保するために役立つ内容を解説してきました。

これらの知識を備えたうえで、事前の運用シミュレーションをおこなうと安定的な運用や、目標の利益の確保がしやすくなります。

ネット上で数多くの無料で使えるシミュレーション・ツールが提供されています。その一例は以下のとおりです。

金融庁:つみたてシミュレーター
金融庁:資産形成シミュレーター

ご自身が使い勝手の良いと感じるツールを見つけることも、投資で成功するのに必要な要素のひとつです。

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500万円を賢く運用するためのシミュレーション方法と実例

本間貴志
本間貴志(著者)
金融・不動産ライター。ビジネス書/実用書制作のプロ集団、アスラン編集スタジオの社員ライターを経て2016年に事務所を設立。これまでに著名人、起業家、エグゼクティブ層など800名以上のインタビュー実績がある。保有資格は、賃貸不動産経営管理士、WEBライティング実務士、SEO検定1級など。

(提供:ACNコラム