総括
FX「①9月のドル円の10日ごとのデータは? ②介入・利上げの副作用は大」
ドル円=144-149、ユーロ円=159-164、ユーロドル=1.08-1.13
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通貨ごとの注目ポイント
*円「通貨10位(10位)、株価4位(4位)、9月のドル円の10日ごとのデータ」
(8月下旬はデータ通り円安、日経の回復に比べ、ドル円の回復が鈍い)
円は8月は下旬に円安が進み、円は月間10位となった。7月の介入後は首位、年間では10位だ。介入直前の高値161.95と介入後の安値の141.67の半値は151.81だが、まだそこまでは戻っていない。一方、日経平均は同期間で高値42224.02、安値31458.42、半値36841.22で既に半値以上に戻している。介入という実弾が出たドル円相場の回復が遅いのは当然かもしれない。
需給的には貿易収支はここまで赤字だが金額は22年、23年と比べると小さく、1-7月で3兆円程度だ。今年の円安を主導したのは政府推奨の新NISAを主とする外貨投信だが、今度の動向が円相場を左右する。1-6月は20兆円ほど残高が増えていたが、7月で約2.3兆円を介入効果もあり減少させた。
(9月のドル円の10日ごとのデータ)
9月のドル円データは上旬と下旬がドル高、中旬は曖昧。
去年の11月から10日ごとの当落のデータが8割以上出た時だけ公表しています。8割以下の時は「曖昧」としています。8割の確率なので2割は外れてもいいのですが、去年の11月から8割以上のデータが10割当たっているのは不思議に思います。たまたまかもしれません。
(日銀・財務省に望むこと、市場を大切に。結果が醜い)
当局は、市場動向を踏まえて、介入や利上げに踏み切ったというが、実際のところ、日本株と対外純資産でピークで200兆円の損失が出た。結果が見えないインフレを抑制するための代償としては大きすぎる。
増税数千億円で国会が紛糾するが、日銀や官僚の一操作で莫大な国富が毀損するのは大問題である。市場動向を踏まえて行動するのはいいが、行動後の市場の崩壊にも手を尽くさないといけない。やりっぱなしはいけない。日銀総裁は利上げ後の株価暴落、ドル円下落は米国利下げ思惑の影響と発言したが、米国株はその後史上最高値を更新している。当局も市場を理解しないといけない。
(今週)
今週は法人企業統計調査、毎月勤労統計調査、 全世帯家計調査、貿易統計などに注目したい。今日はNY休場で原則仲値なしの日。
*米ドル「通貨5位(5位)、株価(NYダウ)10位(11位)、株高続く。強い経済指標でもインフレ落ち着く)」
(介入でドル安)
7月の介入以降は、円が最強、ドルが10位と介入の需給を素直に表している。一方、株価は、実弾が出ていないので、日経の戻りはドル円よりも速く、NYダウは史上最高値を更新した。インフレが低下している米国はドル安を景気回復に生かせるだろう。
(経済指標好調、インフレ落ち着き)
ジャクソンホールでパウエルFRB議長は「労働市場の低迷が続いたりすれば利下げのペースを早めるだろうし仮に景気後退に陥れば一段の利下げに踏み切るだろう」と述べたが、その後、発表された経済指標は殆どが強かった。耐久財受注、消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、2Q・GDP、などだ。また失業保険継続受給者数はほぼ加Wらず。注目のPCE価格も落ち着いていた。
(フェッドウオッチ、GDPナウ、CPIナウ、サプライチェーンは)
好調な指標でフェッドウオッチの9月の利下げ確率は、0.25%引き下げが69.5%、0.5%引き下げが30.5%。
アトランタ連銀3Q・GDPナウは2.5%、クリーブランド連銀8月CPIナウは2.56%、NY連銀サププライチェーンインデックスは-0.09でインフレの落ち着きと経済の強さを示している。
(今週は雇用統計にISM)
今週は雇用統計や、ISM製造・非製造業指数の発表に注目が集まる。雇用と、ISM製造業の予想は強い。
(格付けは据え置き、フィッチ)
フィッチは、米国の財政状況は11月の大統領選挙後も基本的に大きく変わらないとの見方を示した。格付けについては、高所得や財政の柔軟性といった構造的な強みを理由に「AA+」に据え置いた。
ハリス副大統領とトランプ前大統領の経済目標や税制、歳出の優先順位が異なるにもかかわらず、基本的な財政状況はほとんど変わらないと考えているとした。
米国の格付けについては、経済力と基軸通貨である米ドル発行を背景にした財務の柔軟性を理由に安定的な見通しで現行水準に据え置いた。
*ユーロ「通貨4位(3位)、株価6位(6位)DAX)、ECB関係者は9月利下げを示唆」
(経済指標はユーロ圏より圧倒的に米国が強いが、通貨はユーロがドルより強い)
今年の経済指標はユーロ圏より圧倒的に米国が強いが、通貨はドルよりユーロが強い。ユーロが年間4位、ドルは5位。日銀介入もありドルが押し下げられユーロが浮上した。経済指標は弱くても貿易・経常黒字がユーロを支えている。それは弱い日本の円と違う所。株価も独DAXが年初来12.87%高とまずまずだ。長期金利は8月は小動きで水準は変わらなかった。
(消費者物価は、前年同月比2.2%と低い)
8月のユーロ圏の消費者物価は、前年同月比2.2%上昇。伸び率は2021年7月以来、3年ぶり低水準になった。7月までは6カ月連続で2%台半ばで推移していた。エネルギーが3.0%下落した半面、食品などが2.4%上昇した。エネルギー価格が下がるのは4カ月ぶりで、全体のインフレ鈍化の要因となった。
(小売売上に注目)
今週の注目は7月小売売上高。6月は4か月ぶりに前年同月比0.30%減少していた。
(中銀総裁のコメント、利下げへ青信号か)
シュナーベル専務理事は、インフレ率が予想通り鈍化しており、追加利下げでディスインフレの進行が妨げられるリスクが一段と低下していると述べた。
ビルロワドガロー仏中銀総裁は、ECBが9月に追加利下げを実施するのが「賢明」とし、長く待ちすぎればインフレ率が目標を下回るリスクがあると警告した。
タカ派のナーゲル独連銀総裁は、インフレ率の2%目標達成は間近に迫っているものの、まだその水準には回帰していないため急激な利下げは回避すべきとの考えを示した。 ナーゲル総裁は「われわれは慎重になる必要があり、政策金利は急激に引き下げるべきではない」と述べた。
(仏、首相選出振り出しに)
フランス政界での極右勢力台頭で、一時フランスの金利の上昇、株価下落があったが今は市場は静かだ。ただフランスの社会党と緑の党の両党首は、新内閣発足を巡る行き詰まりを打開するためのマクロン大統領との協議に今後は加わらないと表明し、支持者に対し平和的な抗議行動を呼びかけた。マクロン氏は左派連合「新人民戦線(NFP)」から首相を指名する可能性を否定し、各党の党首と再度協議を開始した。
しかし左派、マクロン氏の中道派、極右の国民連合というほぼ互角の3勢力がいずれも連立政権の樹立を否定しており、振り出しに戻った。
*ポンド「通貨首位(首位)、株価12位(12位)、年間首位維持、9月はFRB、ECBは利下げ予想、BOEはどう出るか」
(ポンドは年間首位を堅持)
年間首位を堅持。英FT株価指数は年初来8.32%高、10年国債利回りは4.03%とユーロ圏、米国よりも高い。経済指標は米国ほど強くはないが、ユーロ圏より良好だ。
8月のポンド円月足は下ヒゲが長く買い圧力を示している。
(小売売上高指数は悪化)
8月製造業PMIなどは改善したが、 英産業連盟(CBI)の8月の小売売上高指数は3カ月連続で低下した。9月もさらなる低下を予想しており、雇用や投資計画が抑制されているとしている。7月の-43から8月は-27に上昇したが、予想の-11には届かず、4月以降2番目に低い水準にとどまった。小売業者はまた、需要の低迷により雇用と投資計画を縮小している。この業界は、家計の購買力の低下と悪天候に苦しんでいる。CBIの四半期調査によると、投資意向は8月に-35に低下し、雇用計画は-28に低下した。さらに、予想販売価格の指標は、5月の+30から+15に低下した
(9月はFRB、ECBは利下げ予想、BOEはどう出るか)
9月はFRBもECBも利下げ予想が強いが、8月に利下げした英国は追加利下げの可能性が低そうだ。ベイリー英中銀総裁は、長期的な物価圧力は緩和しつつあるとしながらも、インフレが抑制されたと確信するにはまだ早いため、追加利下げを急ぐつもりはないと述べた。
英中銀は8月初めに、24年通年の成長率見通しを0.5%から1.25%に引き上げた。年初の成長が予想を上回ったためで、2Qの前期比成長率は0.7%と見込んでいた。ただ、24年後半の見通しについてはあまり明るくなく、3Qは0.4%、4Qは0.2%に鈍化すると予想している。
(財政再建へ「痛み」伴う予算案-増税に布石か)
スターマー英首相は27日、政権が10月に提示する予算案は「痛みを伴う」ものになると警告し、「長期的な利益のために短期的な痛み」を受け入れるよう国民に理解を求めた。
7月の選挙で労働党が地滑り的勝利を収めて以降、新政権の政策運営に関して説明する初の適切な機会に、増税への布石を打った格好だ。事態は想像以上に悪化している」とスターマー氏は指摘。財政再建が必要な状況に追い込まれているのは、保守党政権下での「14年間の腐敗」のせいだと批判した。その上で「痛みを伴うだろう。現在の状況を踏まえれば、他に選択肢はない」と語った。
*豪ドル「通貨6位(6位)、株価14位(15位)、タカ派のRBAで豪ドル上昇も、中国景気の減速が相殺」
(豪ドル、8月は月間2位)
8月はNZドルとともに強く、月間2位。年間では6位。株価(全普通株指数)は年初来6.22%高、10年国債は3.99%で米金利より僅かに高い。8月の豪ドル円の月足は下ヒゲが長い。
(7月消費者物価低下は利下げ予想を強めず)
7月の消費者物価は前年同月比3.5%上昇と、6月の3.8%上昇から鈍化し、4カ月ぶりの低い伸びとなった。予想の3.4%上昇はわずかに上回った。
電気料金の補助が下押し要因となった。 これによりRBAが11月に利下げする確率が58%から48.4%に低下した。政府による電力補助金により、総合インフレ率は今年後半にはRBAの目標である2-3%に戻ると予想されている。ただRBAは一時的な要因は考慮せず、基礎的なインフレ率に焦点を当てる考えを示している。
(小売売上は前月比横ばい)
7月の小売売上高は前月比横ばいで、伸び率は前月の0.5%から鈍化し、予想の0.%増に届かず。7月に大規模な減税が行われたが、まだ消費喚起につながっていないことが浮き彫りとなった。市場では次の政策変更は利下げになるとの見方が強まっている。
(設備投資は)
2Qの新規設備投資総額は、前期比で予想外に2.2%減少し、上方修正された前期の1.9%増から反転し、1%増という予想を下回った。これは、設備、工場、機械への支出、建物および構造物への投資の両方が減少したためだ。
(豪ドルどこへ行く)
豪ドルはRBAのタカ派的政策で堅調だが、中国景気の減速が引き続き足かせとなっているため、その豪ドル上昇プロセスはゆっくりとしたものになる。
豪と他の地域との金利差は、豪ドルにとって特に重要な追い風となり、年末までに豪ドルがG10通貨に対して上昇する主な理由となる。
ただ中国の成長見通しが改善する証拠がまだ殆どないため、2024年に豪ドル・ドルが0.70になると予測するのはためらわれると見られている。8月末に発表された中国の8月製造業PMIも弱かった。
*NZドル「通貨8位(8位)、株価15位(13位)、8月最強通貨、指標改善連発」
(8月は最強通貨)
8月は最強通貨となった。株価(NZ50)は強くなく年初来5.75%高。10年国債利回りは4.3%と先進国では高い
(強い経済指標を連発)
*8月の消費者信頼感指数は92.2で、前月の87.9から上昇した。金利の低下で消費者心理は全般に改善している。
*7月の建設許可はプラス26.2で、前月はマイナス17。
*8月の企業信頼感は、先行活動指標が力強く上昇したことから10年ぶりの高水準となった。今後1年で景気が改善するという回答は差し引き50.6で、前月の27.1から大きく増えた。
向こう1年の自社の事業回復を予想した企業は差し引き37.1と同16.3から伸び、7年ぶり高水準だった。
*前回触れた、7月製造業PMIは44.0、前月は41.1、サービス業PMIは44.6、前月は40.7、総合PMIは44.3、前月は40.9。いずれも改善した。
一方、2Q小売売上高は前年比3.6%減で前期の2.4%減から悪化した。
(NZ景気は底を打ったか)
BNZは指標の改善の理由は金利が下がり始めていることへの安心感にあるだろうと述べた。これまでの状況を示す指標は依然として弱い、将来を予測する指標は明らかにかなり改善している。現状が悪化したので、上向きになるしかないというのが実情らしい。現在、景気サイクルの絶対的な底にいるのかもしれない。企業が景況感発表で言っているのはそういうことだ。今後入ってくるデータや情報がそれを正当化するかどうかを見極める必要がある。まだ極めて弱い他の情報との関連で見る必要がある。