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主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月9日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼8日(火)の為替相場
(1):日本の実質金利は3カ月ぶりにマイナスへ
(2):RBA議事録公表
(3):香港株が急落
(4):独鉱工業生産は予想を上回る
(5):米地区連銀総裁「労働市場に対する脅威は高まっている」
▼8日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感が定まりにくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(火)の為替相場
期間:8日(火)午前6時10分~9日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本の実質金利は3カ月ぶりにマイナスへ
日本8月毎月勤労統計の現金給与総額は前年比+3.0%と市場予想(+2.9%)を上回ったが、7月(+3.4%)から伸びが鈍化した。この結果、インフレを加味した実質賃金は前年比-0.6%となり、3カ月ぶりにマイナスに転じた。
(2):RBA議事録公表
豪中銀(RBA)は8月理事会の議事録を公表。「インフレ率を目標に戻すことは引き続き理事会の最優先事項であり、理事会はその成果を達成するために必要なことを行う」と強調した。一方で、「理事会の目標を達成するには、将来の金融環境が現在に比べて引き締まる、あるいは緩む必要があるかもしれない」と、将来的なシナリオとして利上げ・利下げの両方を協議したことを示唆した。
(3):香港株が急落
中国の経済政策全般の立案を担う国家発展改革委員会(発改委)は会見で、今年の経済成長目標の達成に自信を示した。市場は大型連休明けに追加の経済対策が発表されるとの期待を強めていたが裏切られる形となった。本土の連休中に上昇していた香港株が急落。大幅高で始まっていた上海株も上げ幅を縮小した。これを受けて豪ドル売り・円買いが強まった。
(4):独鉱工業生産は予想を上回る
独8月鉱工業生産は前月比+2.9%と市場予想(+0.8%)を大幅に上回った。ただ、7月分は-2.4%から-2.9%へ下方修正された。
(5):米地区連銀総裁「労働市場に対する脅威は高まっている」
アトランタ連銀のボスティック総裁は「米経済は依然として力強いが、インフレに対するリスクは低下している一方で労働市場に対する脅威は高まっている」と発言。また、「毎月の雇用増が10万人を下回れば、より速いペースで利下げを実施すべきか検討する可能性がある」との見解を示した。これより前には米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事が「労働市場は依然として底堅いが、FRBの二つの責務に対するバランスの取れたアプローチを支持する。そうすることで雇用と景気の望ましくない減速を回避しながらインフレの改善を継続できる」「インフレについて予想通り進展が続けば、追加利下げして時間とともにより中立的な政策スタンスに移行することを支持する」と述べていた。