本記事は、ぱやぱやくん氏の著書『その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=BillionPhotos.com / stock.adobe.com)

「もうダメだ」と思ってしまうときは、パターンが決まっている

もし、あなたが「もうダメだ…」と思って絶望してしまった時のために、絶望とはパターンが決まっているとお伝えしておきましょう。そもそも、絶望とは「希望がない」と自分が勘違いしている状態を指すと私は考えています。

本当は絶望では全くなく、希望がたくさんあるのにもかかわらず、自分が勝手に「もうダメだ」と思い込み、投げ出してしまう状態が絶望だと私は考えています。 では人間が人生に絶望してしまう瞬間とは、次の5パターンがいくつも揃ってしまうときだと私は考えています。

①手元にお金がない(支払いが間に合わない)
②体調が悪い(お酒の飲み過ぎ、運動不足)
③他人と話さない(誰とも会話をしない)
④どこにも行かない(家に引きこもってばかり)
⑤知識を得ない(本を読まない、新しい情報に触れない)

この負の5カードが全て揃ってしまうと、人間はすぐに絶望をし、立ち直れなくなってしまうと私は考えています。災害や戦争などでは経済が崩壊してしまう恐れがあるため、どんなにお金があっても暗い気持ちになってしまうでしょう。

想像してみてください。月末に支払うお金がなくて、体調が悪くて、いつも二日酔いで運動不足。そして話す相手すらいない日々のことを。このような状況では誰しもが「もうダメだ…」と絶望的な気持ちになってしまうことでしょう。

一方で「お金がない」ぐらいでは「とても幸せではないが、そこまで不幸でもない」と心の平穏を保つことができ、絶望には至らないように思えます。「お金がほとんどない」という人でも体調がよく、運動をよく行い、人とよく話して、お酒はほどほどであれば、すぐに「幸せだ」と感じる人も多いでしょう。人生に絶望しないためにも、常に自分の状態を確認し、メンテナンスをしていく必要があります。では、よくない状態を乗り越える方法についていくつかお伝えしましょう。

「お金がない」を乗り越える方法

お金がないとは、手元にいくらお金が残っているかよりも、「月末の支払い」に対応できるかどうかが大きなポイントになってきます。なぜなら、いくら収入が増えたところで、支出が増えてしまうと、お金が全く貯まらないどころか、月末の支払いがマイナスとなってしまい、「お金がない」という感覚が消えないからです。お金がないという感覚は現代においては「命がすり減っている感覚」と同じような気分であり、可能な限り避けなければなりません。私も一時期、パチンコにハマっている時期があり、延々と使徒に敗北するエヴァ初号機や、強敵にすぐに敗北するケンシロウを見て、心の底からうんざりするとともに、財布が寂しかった時期があるので、お金とはまさに自分のHP(ヒットポイント)だと実感しています。

自衛隊では新隊員に対して「強制的に積立貯金をさせる文化」がかつてあり、教官や班長が通帳を取り上げる形で、貯金をさせることもありました。一見するとひどいように思えますが、若手隊員のトラブルの多くは「お金がない(キャバクラ、風俗、ギャンブル、飲み会での散財)」から発生していることも多く、それらのトラブルを解消するためにも、通帳を取り上げてでも管理をし、お金がない状態がないようにしていた側面もあったのです。

また、お金がないと、いつも頭の中で「月末の支払い」の計算が始まり、仕事のパフォーマンスは下がり、気分も落ち込んでしまうので良いことは一切ありません。もし、あなたが「お金がない」と思ったときは、まず収入を増やすことよりも、支出を減らすことを先に考えることをおすすめします。現在は、ウーバーイーツやクラウドワークスなどの副業でお金を稼ぐこともできますが、お金を増やしたところで「自分へのご褒美」が増えてしまっては本末転倒です。外食・飲み会・通信費・保険料・娯楽費などの見直しをして、その余剰分を貯金に充ててみることからおすすめします。そうすることで収入に関係なく、心に余裕が出てきます。

もし、あなたが社交的な人であれば、ルームシェアや同棲などの「他者と分かち合って生きる方法」も選択肢の一つとして入れてみるといいでしょう。賃貸や生活費のコストを他者と分割することで、ランニングコストを大きく減らすことができます。集団生活に慣れている人や、誰かと生活することに抵抗がない人は、1人で生活をするよりも、誰かと一緒に生活をすることをおすすめします。もちろん、ストレスに感じることもあると思いますが、話し相手が常にいることのメリットもあるので、悪い選択肢ではないでしょう。

その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?
ぱやぱやくん
防衛大学校卒 元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。元来「意識低い系」で、会社員時代は月曜朝からブルーな気分に。そんななか自衛隊の教訓や思い出話をネットで公開し話題になる。最近では「仕事中のイライラがなくなった」「気の重い会議も頑張れそう」といった声が続出中。名前の由来は、幹部候補生学校で教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。 著書に『陸上自衛隊ますらお日記』(KADOKAWA)、『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)、『弱さを抱きしめて、生きていく。』(PHP研究所)など。 X(旧Twitter)アカウントは @paya_paya_kun
その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?
  1. 「もうダメだ」「お金がない」をどう乗り越える?
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