本記事は、ぱやぱやくん氏の著書『その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
どうしても寝れない人は…
夜中にどうしても興奮をしてしまう、嫌なことを思い出してしまう、ついついウェブサーフィンをしてしまうなどの理由でなかなか寝れないタイプは、睡眠外来などに行ったほうが良いでしょう。近年の中国で流行っている言葉に「リベンジ夜更かし」というものがあります。
リベンジ夜更かしとは、日中の仕事時間で失われてしまった自分の人生を夜中に取り戻そうとして深夜まで夜更かしをすることを指します。リベンジ夜更かしが常態化すると、平日の深夜まで映画・漫画・ゲームなどに夢中になり、布団に入ってからも興奮をして、なかなか寝つけず、寝不足のまま会社に行き、仕事で大きなパフォーマンスを上げることができません。
そうなる前に夜中になかなか眠れない人や、夜更かしをしがちな人は睡眠外来を受診して、医師の判断の下、必要であれば自然な眠気を誘発する薬や、心を落ち着かせるような薬を処方してもらうといいでしょう。
私もなかなか眠れないときに睡眠外来に行き、睡眠導入剤を処方され服用したところ、夜に自然な眠気がくるようになり、夜更かしをすることがなくなりました。また、しっかりと眠ることで疲れが取れるようになり、朝の目覚めも改善され、生活が大きく改善しました。
生活のリズムが整うとともに、十分な睡眠で頭もシャキッとするため、夜になかなか寝付けない、どうしてもリベンジ夜更かしをしてしまう人は一度、睡眠外来を受診してみてもいいでしょう。
緊張を解いてみる意識を持とう
疲れやすい人は「筋トレをすればいい」という論調が現在ではありますが、この意見に対して私は「そうかな」と疑問に思うことがよくあります。なぜなら、疲れやすい人は「体力がない」というよりも「ずっと緊張をしている」というケースがよくあるからです。
人前に立つ、初対面の人と話す、やったことのない仕事をする、上司に報告をする、新しい場所に行くなどの日常の動作で「失敗したらどうしよう…」と悩んでしまうとともに、すぐに筋肉が緊張してエネルギーを消耗してしまうのです。
私もすぐに緊張して疲れてしまうタイプなので、筋トレをしても疲れにくくなるどころか、筋肉量が増えて、緊張の強度が高まるとともに、汗をよくかくようになって逆効果でした。
つまり、すぐに緊張してしまって疲れやすい人は筋トレをしても、疲れやすさが変わらないどころか、筋肉量が増えて、さらに疲れてしまうことがあると私は思っています。そこで疲れやすい人は「身体を鍛えること」と同時並行で「脱力をしてリラックスをすること」をおすすめしたいです。現在はYouTubeで脱力の方法やストレッチヨガ、呼吸法の動画が数多くアップロードをされているため、それらを見ながら、寝る前に深呼吸やストレッチをしつつ、脱力方法を学んでいくといいでしょう。
また、疲れやすい人は「モノローグが多い」という特徴もあると私は思っています。モノローグとは「心の中の独り言」のようなものです。人気シリーズの『孤独のグルメ』という作品では井之頭五郎という主人公が食事を目の前にして、「これはうまそうだ」と心の中で呟くように、疲れやすい人は常にモノローグで溢れているのに、それらがネガティブな内容ばかりなので、心の中がいっぱいいっぱいになってしまうと共に、自分を責めるようになって疲れてしまうのです。
モノローグを増やさないためにおすすめしたいことは「今に集中する」という作業です。心の中で色々と考えてしまう人は、思考が過去や現在に飛んでしまい、目の前のことに集中できずに悩んでしまうという傾向があります。
そのようなことを避けるためにも、今に集中する作業を大切にしてみてください。例えば「風はどこから吹いているか」「コーヒーの香りはどうだろうか」「いま飲んでいる水は何度だろうか」など身体で感じることに意識を傾ける、嫌な記憶が浮かんできたら「それは今関係ないでしょ」と自分の心に言い聞かせる、寝る前に余計なことを考えず「心を無にする練習をする」などを試してみてください。
そうすることで心の中の余計なモノローグが消えていき、気持ちの省エネをすることができます。疲れやすい人は筋トレだけをするのではなく、「脱力する練習」と「何も考えない練習」をぜひ試してみてください。
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