本記事は、ぱやぱやくん氏の著書『その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

A hand holding a pen, marking smiley faces on an employee satisfaction survey on a wooden desk.
(画像=Taskmanager / stock.adobe.com)

辛いときは幸せレベルを下げてみよう

防衛大学校や陸上自衛隊では「幸せレベル」という言葉がよく使われていました。この幸せレベルとは「幸せを感じる感受性」のようなものであり、自衛隊のように訓練や規律が厳しい集団生活をしていると、だんだんと幸せレベルが下がり、小さなことに大きな幸せを感じるようになります。このようになると、小さなチョコ一つを食べるだけ、コップ一杯のビールを飲むだけで「自分は世界一の幸せ者に違いない!」と感動し、幸福に浸ることができるのです。

ただ、日々の生活に慣れてしまい、幸せレベルが上がってしまうと人間は幸せを感じなくなります。あなたが現状、どんなに幸せで恵まれていても、その幸せに人間はすぐに慣れてしまって、自分はとても不幸な人間に違いない…、と勘違いをするようになるのです。

幸せレベルを下げる簡単な方法としては、「身体的負荷のあるトレーニングを行う」「ハイキングに行く」「サウナに行く」「キャンプに行く」「スキーに行く」でも何でもいいです。そうした運動を行うことで「水が飲めるありがたみ」「運動後に食べる食事のおいしさ」「暖房の素晴らしさ」を改めて実感でき、見落としていた自分の幸せを取り戻せる可能性があります。

アウトドアのスポーツやアクティビティは心身的にも優れているだけではなく、日常のありがたみや感謝の気持ちを思い出すことができるので、ぜひ定期的に参加してみてはいかがでしょうか。

自分の好きなものをよく覚えておこう

自分の好きなものは、いつまでも忘れずに覚えているので忘れない、と思っている人は要注意です。なぜなら、自分の好きなものほど、すぐに忘れてしまうことはよくある話だからです。人間の心は楽しいことよりも、嫌なことでいっぱいになりやすく、意識して好きなことを忘れないような努力をしないと、自分が好きだったものは何だっけ? となりやすくなります。

チェックリストです。下記の好きなものを即答できますか?

  • 好きな食べ物
  • 好きな歌手
  • 好きな旅行先
  • 好きな趣味
  • 仲の良い友達の名前3人

これらの項目がパッと出てくる人は問題ありませんが、忙しくなるとどうしても「え〜と」とすぐに出てこずに、考えてしまう人も多いと思います。ときめきは思い出さない限りは、すぐに忘れてしまうものなのです。こうしたことを防ぐためにも、下記のことをおすすめします。

  • 寝る前の30分は休日の予定を考える
  • YouTubeなどでお気に入り動画リストを作成し、週に何回か見るようにする
  • いままでの楽しかった思い出の写真を見返す、などです。

こうすることで、自分の記憶の外側にあった「ときめき」を思い出すことができ、人生にハリとツヤが出てくるのです。忙しいときはついつい自分の好きなことを忘れてしまいがちですが、好きなことを忘れてしまうと「自分が生きている意味」を失ってしまい、人生が停滞してしまう可能性が高くなります。

その絶望感って、本当は心のまぼろしじゃない?
ぱやぱやくん
防衛大学校卒 元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。元来「意識低い系」で、会社員時代は月曜朝からブルーな気分に。そんななか自衛隊の教訓や思い出話をネットで公開し話題になる。最近では「仕事中のイライラがなくなった」「気の重い会議も頑張れそう」といった声が続出中。名前の由来は、幹部候補生学校で教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。 著書に『陸上自衛隊ますらお日記』(KADOKAWA)、『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)、『弱さを抱きしめて、生きていく。』(PHP研究所)など。 X(旧Twitter)アカウントは @paya_paya_kun
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