2025年は巳年。ヘビは古来、神の使いとして大切にされ、神話や民話に数多く登場する。脱皮を繰り返すことから、不老不死のシンボルともされてきた。今回は「令和」になって初めて迎える巳年。さて、どんな開運を運んでくれるのか。巳年の一端を体感できる、おススメの神社を3回シリーズで紹介する。

東京の白蛇さま…蛇窪神社

「東京の白蛇さま」――。こう呼ばれるのは蛇窪神社(東京都品川区)。栃木県老神温泉(沼田市、大蛇まつり)、山口県岩国市(天然記念物の白蛇)と並んで、白蛇の日本三大聖地の一つに数えられる。「蛇窪」という地名は昭和初期、東京市内編入の際に消滅したが、地域(現在の二葉、豊町、戸越、西大井の一部)の氏神様として親しまれている。

実は、蛇窪神社は通称。正式名称は「天祖神社」だが、今も昔も蛇窪神社で通っている。近年は街おこしとして、「スネークタウン」として売り出し中だ。神社付近では街路灯も白蛇の形をしている。

創建は鎌倉末期と伝えられる。元享2(1332)年、武蔵の国一帯が大干ばつに見舞われ、龍神社に雨ごいの断食祈願をしたところ、大雨が降り注ぎ、飢饉を逃れたことに感謝して、蛇窪の地に勧請したとされる。

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(画像=蛇窪神社の社殿、「M&A Online」より引用)

“立身出世”のパワースポット

では、白蛇とのかかわりは? 由緒書によれば、社殿の横に清水が湧き出る洗い場があり、白蛇が住んでいたが、やがて洗い場がなくなり、やむなく白蛇は現在の戸越公園の池に移り住んだ。そして、ある時、土地の有力者の夢枕に白蛇が現れ、お告げによって弁財天社が建立されたという。

蛇窪神社は白蛇大神と蛇窪龍神が一緒に祀られているのが特徴。このため、良縁、金運・財運、病気平癒などに加え、「巳が龍(身が立つ)」として、立身出世の願いを叶えてくれるパワースポットとして名高い。

白蛇種銭の銭回し

境内を散策してみよう。社殿で手を合わせた後、右奥に進むと、「撫で白蛇」が出迎えてくれる。白蛇さまの夫婦で、大きい方が女性。その隣は蛇窪龍神社(元宮)。7匹の白蛇と全長8メートルの白龍に目が釘づけになるが、弁天様の使いである白蛇が8匹目で白龍になるという言い伝えを表している。 

次は銭回し。白蛇種銭(初穂料200円から)を一つ取り、石臼の金杯に置き、時計回りに3回ゆっくり回す。ザルに白蛇種銭と自分のおカネを入れ、銭洗所で清めて、白蛇弁財天にお参りする。

ここまでが神社が推奨する参拝順序だが、かつて白蛇が住んでいたという場所に掘った井戸、700年前の雨ごいが成就した証として111本の提灯を点灯した法密稲荷社など、境内はそれほど広くないものの、随所に見どころがある。

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(画像=境内にはいくつもの白蛇が…、「M&A Online」より引用)