川口市内から3路線を利用可能

川口市は東京都心から電車で約30分圏内に位置しています。JR京浜東北線(以下、京浜東北線)、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線(以下、埼玉スタジアム線)、JR武蔵野線(以下、武蔵野線)の3路線が通り、高い交通利便性で東京都がすぐそこ、という立地が大きな魅力です。人口は約60万人と、埼玉県内ではさいたま市に次ぐ規模です。

京浜東北線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線、武蔵野線 路線図
(画像=「RENOSY マガジン」より引用)

川口のつく4つの駅

川口駅

京浜東北線停車駅の川口駅。隣駅は赤羽駅(東京都北区)で、埼玉県内の同線のなかで最も東京都に近い駅です。

京浜東北線は、大宮駅から東京駅を経由して横浜駅を結ぶ路線です。川口駅の1日の乗車客数は約7万人(2023年度)を誇ります。

西川口駅

京浜東北線 川口駅の隣駅の西川口駅も1日の乗車客数は5万人(2023年度)と、多くの利用があります。

東川口駅

東川口駅は、武蔵野線と埼玉スタジアム線が交差するターミナルで、1日の乗車客数は両線を合わせて約5万人(2023年度)に上ります。

川口元郷駅

埼玉スタジアム線は、川口元郷駅にも停車します。1日の乗車客数は約1万人(2023年度)です。

都心との行き来が便利な各線

京浜東北線 川口駅からは、東京駅のほか新橋駅や品川駅などへ乗り換え不要でスムーズなアクセスが可能です。横浜駅からはJR根岸線に入り、大船駅まで乗り入れています。

武蔵野線は府中本町駅と西船橋間を結び、東京郊外をぐるりと一周しているため、東京都心から放射状に伸びる各線との乗り換えに便利です。

埼玉スタジアム線は赤羽岩淵駅と浦和美園駅間の路線で、赤羽岩淵駅から東京メトロ南北線を経由して、飯田橋駅、永田町駅、六本木一丁目駅などへ直通。さらに、相鉄新横浜線・東急新横浜線により、新横浜駅や海老名駅などにもダイレクトアクセスが可能です。

東京メトロ南北線は2030年代半ばを目標に白金高輪駅から品川駅間の延伸工事が進められており、更なる利便性の向上に期待が高まります。

川口エリアの開発情報

川口駅周辺まちづくりビジョン

川口市では、住みやすさを超えて「住み続けたいまち」「更なる選ばれるまち」を目指し、2022年に「川口駅周辺まちづくりビジョン」を策定しました。対象は、おおむね川口駅周囲の環状道路から50mの範囲、約50haです。今後の川口駅周辺で取り組むべき項目に回遊性都市機能オープンスペース交通都市機能・環境防災の6つを掲げています。

その上で、優先的に取り組むプロジェクトとして次の5つを設定しました。

  1. 交通拠点リニューアルプロジェクト
  2. 公園等リノベーションプロジェクト
  3. 六間通り線機能・魅力向上プロジェクト
  4. 多目的文化芸術拠点整備プロジェクト
  5. まちなか再生プロジェクト
川口駅周辺まちづくりビジョンの5つのプロジェクト
(画像=川口市ホームページ「川口駅周辺まちづくりビジョン」を基にRENOSY編集部にて作成、「RENOSY マガジン」より引用)

「交通拠点リニューアルプロジェクト」では川口駅の東口と西口の回遊性向上、新たな都市機能の導入、鉄道輸送力向上、駅前広場の交通結節機能向上、駅前や鉄道沿線の景観形成、帰宅困難者対策など防災機能強化を進めます。

「公園等リノベーションプロジェクト」により市民活動の場の創出、多様な活動ができ、訪れたくなるオープンスペースの創出、オープンスペースのにぎわい維持のためのエリアマネジメント体制構築を目指します。

六間通りは川口駅から川口元郷駅方面に向かう道路です。「六間通り線機能・魅力向上プロジェクト」で商店街と道路を一体的に活用し、にぎわいを創出するとともに、緑豊かな景観を誘導します。さらに都市計画道路の整備により駅間移動の円滑化、広域的な災害対応能力強化を推進します。

「多目的文化芸術拠点整備プロジェクト」では川口市の文化・芸術・産業を活かし、育てる場として多目的文化芸術拠点を整備し、周辺の空間演出を行います。

「まちなか再生プロジェクト」には歩行者の移動の円滑化、気軽に休憩できる緑豊かな空間創出、新たな暮らし方や働き方ができる都市機能の導入、連続的な緑の形成、再開発による災害に強いまちづくりなどが含まれています。

川口駅に上野東京ラインのホーム増設

川口市はJR東日本に対し、川口駅への上野東京ライン停車を要請しています。2037年以降の停車の見通しです。現在、川口駅は京浜東北線のみの停車駅のため、本件の実現によって、大幅な輸送能力の拡大が期待されています。併せて、ホームの増設と駅舎コンコースの新設も検討されています。

上野東京ライン
(画像=上野東京ライン、「RENOSY マガジン」より引用)

「三井ショッピングパーク ららテラス川口」オープン

川口駅東口の旧「そごう川口店」がリニューアルされ、2025年5月に「三井ショッピングパーク ららテラス川口」が誕生します。建て替えではなく、既存建物を最大限に活かす手法にも注目です。スーパーマーケット「成城石井」のほか、ファッションや雑貨、カフェなど約100店舗が入る予定です。

 
(画像=工事中の三井ショッピングパーク ららテラス川口(2025年2月撮影)、「RENOSY マガジン」より引用)

「川口市立美術館」2026年オープン予定

「多目的文化芸術拠点整備プロジェクト」の一環として、「川口市立美術館」の整備を進めています。場所は川口駅西口の「総合文化センター・リリア」西側で、アートエリア(美術館機能)、ものづくりエリア(産業とアートのコーディネート機能)、イベントエリア(新しい表現に対応した展示ホール)の3つのエリアで構成される予定です。アート図書館やアートカフェ、ミュージアムショップ、ものづくりライブラリーも併設し、多面的に芸術を楽しめる空間を目指します。

 
(画像=「RENOSY マガジン」より引用)

川口本町4丁目9番地区第一種市街地再開発事業

川口駅東口から南へ約400mの場所では「川口本町4丁目9番地区」の再開発が進んでいます。対象地域は約0.7haで、地上28階地下1階建の住宅棟と地上3階建の商業棟を整備。敷地内には緑を多く確保し、街並みに潤いをもたらすことも目指しています。

川口駅東口前の街並み
(画像=川口駅東口前の街並み、「RENOSY マガジン」より引用)

近隣エリアのマンション建設

川口駅近隣のエリアでも、近年、多くのマンションが誕生しています。西川口駅付近には「レーベン川口並木VERTEA」「オープンスクエア川口」などのマンションが完成。2025年には「ザ・ライオンズ西川口」の入居も始まります。

また、川口市に隣接する蕨市の蕨駅周辺では、2027年完了予定の大規模な再開発プロジェクトが進行中です。大規模なタワーマンションのほか、公共施設や商業施設の設置も予定されています。

川口エリアの基本情報

単身世帯の増加傾向

川口市では、近年、特に単身世帯が増加しています。転入者数から転出者数を差し引いた数である転入超過数を見ると、川口市は2023年に全国で13位という高水準です。前年の30位から大きく順位を上げており、住宅需要の高まりを感じさせる結果となりました。

市民の定住意向は8割超

『令和6年度 総合計画のための市民意識調査結果報告書』によると、川口市に「住み続けたい」と答えた人は81.1%でした。川口市に転入した人にその理由を尋ねたところ、「都心に近いから」「交通の便がよいから」という回答が多数を占めています。

川口市の居住意向
(画像=川口市「令和6年度 総合計画のための市民意識調査結果報告書」を基にRENOSYマガジン編集部にて作成、「RENOSY マガジン」より引用)

さらに、川口市のよいところや好きなところを聞いた質問では「都心に出やすい」「買い物など日常生活が便利である」「公共交通機関が充実している」「災害が少ない」といった回答が多くなっていました。この結果から、川口市民は生活利便や災害リスクの低さを高く評価していると考えられます。

通勤エリアの企業

川口市は、交通利便性の高さから、他市区町村へ通勤される方も多くいます。就業者数のうちの他市区町村への通勤者数の割合を示す、通勤者比率は53.1%(2020年度)でした。多くの企業が集まる東京駅や品川駅へも、京浜東北線で直通のため、スムーズな通勤が可能です。

東京駅周辺の企業

企業名 従業員数
リクルートホールディングス 51,373名(グループ従業員数、2024年3月31日時点)
三菱地所株式会社 11,045名(連結、2024年3月末時点)
株式会社三井住友銀行 28,191人(2024年9月30日現在)

品川駅周辺の企業

企業名 従業員数
ソニーグループ株式会社 113,000名(連結、2024年3月31日現在)
大塚ホールディングス株式会社 34,388名(連結、2023年12月末現在)
キヤノンITソリューションズ株式会社 4,000名(2023年12月31日現在)

川口市内の企業

川口市内には、エンジニアリングプラスチックおよびその複合材による精密機構部品・製品の開発・製造・販売を行う、株式会社エンプラス(グローバル従業員数1,521人、連結 2024年3月末時点)や、Amazonの物流を支える川口フルフィルメントセンター(FC)、川口ソートセンター(SC)、川口デリバリーステーション(DS) もあります。

また、川口市内には「さいたま新産業拠点」である「SKIPシティ」内に、研究開発スペースとして貸研究室を設置しています。起業家や新事業分野進出を目指す中小企業を、総合的に支援しています。

現在のまちの様子(2025年2月時点)

川口

川口駅は埼玉県の玄関口として、平日休日問わず多くの人が行き交っています。2階改札は東西の連絡路と直結しており、自由に往来可能です。

 
(画像=「RENOSY マガジン」より引用)

駅東口はペデストリアンデッキが整備されており、「かわぐちキャスティ」などの大型商業施設と直結しています。

「川口キュポ・ラ」には、店舗と共に図書館など公共施設も入居。目の前の「キュポ・ラ広場」は、憩いの場としてだけでなくイベントも多く開かれています。

川口の様子
(画像=左上から時計回りに川口駅東口の街並み、川口キュポ・ラ、三井ショッピングパーク ららテラス川口(工事中)、キュポ・ラ広場、「RENOSY マガジン」より引用)

駅西口も、ペデストリアンデッキと共に美しい街並みが広がっています。線路沿いの川口西公園は、芝生広場やカラフルな複合遊具があり、散策路も整備されています。日常の買い物は、スーパーなどが集まる「リプレ川口」が便利です。

川口の様子
(画像=左上から時計回りに川口駅西口街並み、総合文化センター・リリア、川口リプレ川口、川口西公園、「RENOSY マガジン」より引用)

駅近くから北へのびる「樹モール」は、全長600mの商店街。昔ながらの商店からお馴染みのチェーン店までが並んでいます。その一角には、「樹モールプラザ」という複合商業施設が2023年に開業しており、利便性がさらに向上しました。

 
(画像=樹モールプラザ、「RENOSY マガジン」より引用)
川口の様子
(画像=左上から時計回りに樹モール、樹モールプラザ、アリオ川口、川口市役所、「RENOSY マガジン」より引用)

西川口

西川口駅は2階部分に改札があり、東西を行き来できる連絡路と繋がっています。駅直結のショッピングセンター「ビーンズ西川口」には、青果店や鮮魚店、100円ショップ、ドラッグストアなど便利な店舗が集まっています。

 
(画像=「RENOSY マガジン」より引用)

駅東口側、通りを進むと、商業施設が立ち並び、その先に「青木町公園総合運動場」があります。野球場やテニスコート、プールなどが集まっており、市民が体を動かせる環境が広がっています。

西川口のまちの様子
(画像=左上から時計回りに西川口駅東口街並み、東武ストア西川口店、新青木公園、西川口駅東口のバス通り(新オートレース通り)、「RENOSY マガジン」より引用)

駅西口前のバスロータリーは広々としており、市役所分室も立地。グルメ店が多くあることで知られ、特に中華料理は本格的な味が楽しめます。

駅近くにはスーパーやディスカウントストア、コンビニなどが点在。「西川口ショッピングセンター」には、食品スーパーや家電量販店、ドラッグストアなどが集まっています。

西川口のまちの様子
(画像=左上から時計回りに西川口駅西口街並み、西川口駅西口の中華店が並ぶ様子、ニトリ西川口店(ケーズデンキ西川口店)、西川口駅前通り、「RENOSY マガジン」より引用)

東川口

東川口駅は、高架の武蔵野線と地下の埼玉高速鉄道が交差しており、都心の各スポットへ快適にアクセスできます。

 
(画像=「RENOSY マガジン」より引用)

駅前の南北にバスロータリーがあり、どちらも緑と花で彩られ歩道も広々としています。2024年5月には、東川口駅前行政センターがオープン。キッズスペースも設置されており、子育て家族も利用しやすくなっています。

駅近くには、スーパーや家電量販店、100円ショップなど買い物施設がそろっています。また、けやき通りが南北にのびており、スーパーやドラッグストアなど多くの店舗が並んでいます。そのまま北へ進めば「イオン浦和美園店」も生活圏内です。

東川口のまちの様子
(画像=左上から時計回りに東川口駅北口バスロータリー、東川口駅南口バスロータリー、西友 東川口店、川口市役所 東川口駅前行政センター、「RENOSY マガジン」より引用)

川口元郷

川口元郷駅から地上に上がると、美しいバスロータリーが広がっています。

駅前から西へのびる六間道路は、春には綺麗な桜並木となり、多くの人を魅了します。芝川と交差する一角には公園があり、緑に囲まれながら子どもたちが楽しそうに遊んでいます。また、川沿いの自然を眺めながら、散歩する人の姿も見られます。

芝川に架かる橋を渡ると、「ミエルかわぐち」というショッピングモールがあり、食品スーパーや家電量販店、飲食店など約30店舗が集結。そのまま六間道路を進めば、商業施設が多く並ぶ川口駅も徒歩圏内です。

川口元郷のまちの様子
(画像=左上から時計回りに芝川公園、川口元郷駅2番出口、ミエルかわぐち、川口元郷駅バスロータリー、「RENOSY マガジン」より引用)

生活利便と自然、文化のバランスが取れたまち

都心に一番近い埼玉のまち、川口市。東京へのアクセスのよさはもちろん、市内もショッピング施設や公園、文化施設の充実など、暮らしやすさがあふれています。市を代表する植木産業の伝統は市内の公園管理にも活きており、公園や街の美しさにも定評があります。今後の再開発など、ますます高まる利便性の向上に期待が高まります。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部
「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。