
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月8日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼7日(月)の為替相場
(1):日本実質賃金、2カ月連続マイナス
(2):日米首脳電話会談
(3):「フェイクニュース」に振り回される
(4):トランプ大統領、関税一時停止は検討せず
▼7日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:関税不安は継続、引き続き警戒が必要/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
7日(月)の為替相場

期間:7日(月)午前7時00分~8日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本実質賃金、2カ月連続マイナス
日本2月「毎月勤労統計」で現金給与総額は前年比+3.1%と市場予想(+3.0%)を上回る伸びとなった。もっとも、米国の関税措置を受けて世界的な景気後退への懸念が広がる中では日銀の利上げ期待が高まることはなかった。なお、物価上昇を加味した実質賃金は前年比-1.2%と2カ月連続のマイナスだった。
(2):日米首脳電話会談
日本時間21時頃から行われた日米首脳電話会談を終えて石破首相が会見。「日本企業の投資力減退に懸念を伝えた」「日米双方で担当閣僚を指名し、協議を続けることを確認した」として「対米協議を通じ、関税措置の見直しを強く求めていく」と表明した。なお、一部報道によれば米側の交渉担当者にはベッセント財務長官が指名された模様だ。交渉では関税に関する協議のほか、為替(ドル/円)についても議題となる見通しとのこと。
(3):「フェイクニュース」に振り回される
米国家経済会議(NEC)のハセット委員長が「トランプ大統領は中国以外への関税を90日間停止することを検討している」と述べたことが伝わった。一時1700ドル超続落していたNYダウ平均は、この報道を受けてプラス圏を回復。リスク回避の円買いが急速に巻き戻されて円安に振れた。しかし、その後ホワイトハウスが関税一時停止の報道は「フェイクニュースだ」と否定。これを受けて米株が再び下落したためクロス円は失速したが、米長期金利が高止まりする中でドル/円は上昇を維持した。
(4):トランプ大統領、関税一時停止は検討せず
トランプ米大統領は「関税の一時停止は考えていない」と改めて明言。一方で、「すべての国との公正で良い取引の扉は開かれている」として交渉には応じる姿勢を示した。なお、この日はトランプ大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収案件を巡り対米外国投資委員会(CFIUS)に対し新たな審査を行うよう指示したことも明らかになった。