
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年4月9日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼8日(火)の為替相場
(1):日本の経常収支は過去最高
(2):中国「最後まで受けて立つ」
(3):米中貿易摩擦激化懸念拡大
▼8日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値が重くなりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(火)の為替相場

期間:8日(火)午前6時10分~9日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本の経常収支は過去最高
日本2月貿易収支は7129億円の黒字(予想5359億円の黒字)で約4年ぶりの水準に拡大した。同時に発表された日本2月経常収支は4兆607億円の黒字となり市場予想(3兆8000億円の黒字)を上回り過去最大の黒字を記録した。
(2):中国「最後まで受けて立つ」
中国商務省は7日にトランプ米大統領が「中国が米国に対する34%の報復関税を撤回しない場合、50%の追加関税を課す」と警告したことについて、「断固として対抗措置をとる」「米国が貿易戦争を仕掛けるのであれば、中国は最後まで受けて立つ」と表明した。
(3):米中貿易摩擦激化懸念拡大
「トランプ米政権が中国に対する関税を104%に引き上げてを9日に発動する」と伝わり、大幅に上昇していたダウ平均が米中貿易摩擦激化への懸念からマイナスに転じるなど、リスク回避姿勢が強まった。
8日(火)の株・債券・商品市場

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:上値が重くなりそう
昨日のドル/円は約1.0%下落。米国の相互関税を巡る過度の懸念が後退したことによる円売りから148.13円前後まで上昇する場面も見られたが、前日高値(148.15円前後)が上値目途として意識されるとじりじりと上値を切り下げる展開となった。中国が米国の相互関税に対して強硬的な態度を示したことや、米国が中国に対して合計で104%の関税賦課を示唆するなど米中貿易摩擦の激化懸念がリスク回避の円買いを強める要因となり146.29円前後で引けた。
日本時間、本日13時01分には米国の相互関税が発動する予定となっている。関税発動を巡り日本を含む約70の国や地域が米国に接触していると報じられていることから、相互関税が当初発表されていたものよりも和らいだものになる可能性はあろう。ただし、中国政府は相互関税に対して「断固として対抗措置をとる」「米国が貿易戦争を仕掛けるのであれば、中国は最後まで受けて立つ」と表明している。世界の2大経済大国である米国と中国の貿易摩擦の激化懸念が残る限り世界経済の悪化リスクは消えないことから、リスク管理の観点から円やドルは引き続き買われやすいとみられる。ドル/円はドル買いが先行したとしてもクロス円の下落に上値を抑えられることが予想されるため、147円台に乗せると上値が重くなりそうだ。