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高金利通貨の状況をギュッと要約
メキシコペソ
メキシコの経済状況は明らかに減速傾向にあり、シェアリングエコノミーの勢いも失われつつある
景気減速の状況下でトランプ関税問題が発生し、さらなる経済的打撃が懸念されている
幸いなことに、メキシコはUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に参加しているため、一部の商品は免税となる
ただし、同協定に含まれない商品や鉄鋼などの特定品目には25%の関税が課される可能性がある
全体的には日本などと比較すると税率は低いため、報復関税は実施しない方針を示している
インフレ率が落ち着いてきたことから、利下げ観測が高まっており、0.5%ポイントの利下げが今後も続くと予想されている
経済指標は芳しくなく、政府自身が今年の成長率予測を2〜3%から1.5〜2.3%へと下方修正している
一部の民間金融機関はマイナス成長の可能性にも言及しており、不安要素は増大している
しかし、全体的な高金利通貨のランキングでは6位を維持しており、関税問題以外では大きなトラブルはない状況
南アフリカランド
南アフリカは内政の混乱が深刻化している
昨年の選挙でANC(アフリカ民族会議)が敗北し、連立与党となって約1年が経過している
当初は民主的な政党も連立に加わり、政権運営は比較的順調だった
しかし、付加価値税(消費税)を2%引き上げる提案を契機に政治的混乱が始まった
収用法の問題も発生し、連立政権内のDA(民主同盟)が多くの法案に反対する姿勢を示している
政府は妥協案として消費税引き上げ率を0.5%に引き下げることを提案したが、DAはこれも拒否
予算案の組み方をめぐる対立は裁判所にまで持ち込まれる事態に発展
ビジネス界は連立内閣の維持を要望する書簡を出しているが、両政党とも強硬姿勢を崩していない
DAは「連立離脱か存続かの決断を早く下すべき」と迫っており、4月中に政権の行方が決まる見込み
国内政治の混乱に加え、対米関係も悪化している
トルコリラ
トルコの政治的混乱は日本のメディアではあまり報道されていないが、実際には収束していない
野党の次期大統領選候補であるイスタンブール市長が逮捕されて以降、抗議デモが継続している
エルドアン大統領は強い権限を持ち、様々な対策を講じる能力がある
トルコの財務省はこうした政治状況に対応する準備ができていたようで、通貨急落後は比較的安定している
外貨準備金は2週間連続で約80億ドルずつ減少しており、政府は「スムージング・オペレーション」という形で実質的な市場介入を続けている
経済指標自体は比較的強かったが、現在の政治的混乱が経済にも徐々に影響を及ぼすと予想される
イスラエルとガザ問題に関してトルコはイスラエルの軍事行動を「ジェノサイド」と批判しており、親イスラエルのアメリカとの関係悪化が懸念される
アメリカとの関係悪化により、トルコは徐々に中国やロシア寄りの外交姿勢を強める可能性がある
総合的な見通し
高金利通貨全体がトランプの関税政策によって大きな影響を受けている
特に中国への104%関税という強硬姿勢が示されたことで、新興国経済への懸念が高まっている
各国とも国内の政治的問題と対米関係の両面で課題を抱えており、通貨の不安定性が高まっている
投資家のリスク回避姿勢が強まる中、安全資産とされる円やスイスフランへの資金シフトが続いている
FRBの利下げ観測が強まる中、高金利通貨の金利面での魅力が相対的に低下する可能性がある
特に政治的混乱がある南アフリカやトルコでは、今後数週間の政治動向が通貨の行方を左右する可能性が高い


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