トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「リラ買い介入の手を緩めたか。政策金利は据え置きか」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価12位)   

予想レンジ トルコリラ/円3.5-4.0

*世界関税論争で騒々しいが、トルコの悪い状況も変わらず
*裁判所はイスタンブール元市長の釈放を求める訴えを却下
*リラ買い介入の手を緩めたか
*リラは対円で年初来14.93%安
*政策金利は据え置きか
*鉱工業生産弱く、小売売上は底堅い
*金融市場、応急措置で下げ止まるが予断許さず
*エルドアン大統領は政府の正当性を主張、野党のテロを非難
*トルコの外貨預金比率は34.25%で高い
*リセッション抜け出す、2024年のGDP成長率は3.2%
*中銀の目標は2025年末に政策金利を21%へ引き下げること
* 年末時点のインフレ予想は24%。

(リラは対円で年初来14.93%安。介入は実施)
 イマモール・イスタンブール市長の逮捕でトルコ金融市場はトリプル安となったが、中銀はリラ買い介入や一時的金融引き締めで対応した。
 対円では安値の3.498から戻したが、市長逮捕前の水準4円台には戻っていない。
リラは年初来最下位で14.93%安。イスタンブール100株価指数は12位で4.14%安。
 10年国債利回りは逮捕前の26%から現在は32.09%と高止まりしている。

(リラ買い介入の手を緩めたか)
外貨準備高推移は以下の通り。

4/4付 778.4億ドル
3/28  806.1億ドル
3/21  883億ドル
3/14  970.7億ドル
3/7  978億ドル

 3月19日のイマモール市長逮捕後のリラ急落に対し、3月21日付で87.7億ドル、3月28日付で76.9億ドル外貨準備高が減少している。リラ買い外貨売りの介入が出たものと推測される。4月4日も減少したが減少額は27.7億ドルと前2週と比べれば小さく、若干介入の手を緩めた。

(政策金利は据え置きか)
 トルコ中銀は4月17日の金融政策委員会で政策金利を42.5%に据え置く見通し。
トランプ政権の関税賦課やイマモール氏の逮捕で市場が動揺していることがある。ためとされる。
イマモール氏の逮捕を受けてトルコリラは対ドルで過去最安値を更新し、株式と債券は急落。中銀はリラ安を食い止めるために為替介入を実施したり、翌日物貸出金利を46%に引き上げた。

3月の消費者物価は低下しているがリラ安でインフレへの影響も考慮して据え置きになると見られている、

(鉱工業生産弱く、小売売上は底堅い)
2月鉱工業生産は前年比1.9%の減少、予想の2%減少とほぼ一致した。前月は1.2%増。小売売上は12.2%増、予想の9%増を上回った。前月は12.5%増。

(年末インフレ率、予想下回る可能性) 
シムシェキ財務相は、原油価格が1バレル=65ドルを下回る状況が続けば、今年のインフレ率は公式予想を1-1.6%下回る可能性があるとの見方を示した。
年末時点のインフレ予想は24%。