本記事は、原マサヒコ氏の著書『どこでも通用する人は入社1年目に何をしているのか』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

入社1年目の人がお金を使うべきこと
貯金をしても意味はない
皆さんはお金があったら何に使いますか?
ある調査では、20代の7割が「お金を使うことより、貯めることに喜びを感じる」という結果だったようです。将来への不安からなのでしょうか。
読者の皆さんが、もし貯金を真っ先に考えるという場合、私からは「絶対にやめたほうが良い」とお伝えしたいです。
20代で貯金をしても意味がないからです。その理由を説明していきましょう。
(1)お金に縛られた思考になってしまう
若い頃から銀行口座の残高を意識するようになると、さまざまな判断基準が“お金”に偏ってしまいます。やりたいことや欲しいものが見つかっても、お金がもったいないという理由で手を出さなくなります。むしろ、その考え方自体がもったいないのです。お金に縛られて思考を狭めてしまうことは、大きな機会損失です。
(2)お金に縛られた行動を取ってしまう
貯金をしようとすると支出を切り詰めますから、思考だけでなく行動も慎重になります。
慎重な行動を取り続けてしまうと、当然ながら周囲からの誘いも減ってしまい、若いうちにしかできないはずの経験を逃してしまいます。これもやはり損失として非常に大きなものといえるでしょう。
(3)貯金をするよりも大切なことがある
よほどの技術や経験でも持っていない限り、一般的には20代で会社から支給される給料はそこまで多くないと思います。ですから、頑張って貯金をしたとしても、貯められる金額というのはたかが知れています。その一方で、環境的にも体力的にも20代でしかできないことは山ほどあります。
20代のうちに貯金ばかりに精を出してしまい、さほど幸せを感じない大人になってしまうのは絶対に避けてほしいものです。
20代では貯金をするよりも大切なことがあるのです。
何にお金を使うか
では20代では何が大切でどんなことにお金を使うべきなのか、説明していきましょう。
(1)経験してみたいことに使う
何度も書いてきましたが、若いうちはいろいろなことを体験して経験値を貯めることが重要です。そのために“やってみたいと思うこと”を大切にしてください。やってみたいことを実行して得られた経験が、今後の人生で何よりも生きてきます。
(2)思い出づくりに使う
自分自身の経験だけでなく、友人知人との思い出のために何か企画したり、楽しいイベントに参加したりするというのも、有意義なお金の使い方といえます。
自分が企画する際には「どうしたら人を楽しませることができるか」を考えますし、自分が参加者側であれば「どういったことなら楽しめるか」ということを学びながら経験することができます。これからは物の価値よりも体験の価値が上がっていく時代ですから、そういった経験は必ず役に立つでしょう。
(3)自分に対して使う
思い出をつくることも良い投資ですが、最もおすすめしたいのが自分自身のビジネススキルへの投資です。皆さんが経営者になるかどうかはさて置き、将来的に会社だけでなく個人でも収入を得ようとしたらスキルが必要になります。そういったビジネススキルを早くから学ぶことで確実に人生の選択肢が増えていきますし、20代でできる貯金額など一気に上回ることも可能でしょう。
20代は学びの吸収率も高いですから、この時期に“自分の学び”に投資をすることで、より良いリターンが得られるはずです。
とにかく行動して、自分の価値を高めることにお金も時間も使っていってください。

活動の場をIT業界に変えると、PCサポートを担当したデルコンピュータでは「5年連続顧客満足度NO.1」に貢献。インターネットベンチャーやフリーランスなどの経験を経て2019年にマーケティング会社「プラス・ドライブ」を設立し、現在は多くのクライアント先に対して付加価値を提供している。
また、全国から講演依頼を年間で50回以上受け、「トヨタの現場ノウハウ」や「若手のキャリア構築」について講演することをライフワークとしている。著書に、『人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた』(経済界)、『どんな仕事でも必ず成果が出せるトヨタの自分で考える力』(ダイヤモンド社)、『ACTION! トヨタの現場の「やりきる力」』(プレジデント社)などがある。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。