この記事は2025年6月11日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=amanaimages//stock.adobe.com)

2025年6月11日(水)の午後12時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

ロンドンでの米中通商協議は、「枠組み」合意で一旦の区切りが打たれたものの、内容が見えてこないので詳報を待つしかない。

米ドル/円も、リスクセンチメントに応じてドルと円が同方向に上下することから、方向感を欠く展開が続く。

ポジションも、個人がドル買い・円売り、機関がドル売り・円買いの構図が維持されており、クロス円の上昇基調を横目に、米ドル/円はレンジ相場の様相を強めている。

FRBと日銀のスタンスを踏まえれば、日米金利差は米ドル/円上昇を示唆するが、米政府の貿易赤字縮小方針は米ドル/円下落を示唆しており、現状はトレンドが形成されにくくなっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

関税により各国中銀が様子見姿勢を余儀なくされるなか、労働市場も「No hire, no fire」で流動性が枯渇しており、為替市場としては中長期のマクロ材料を欠く展開が継続している。

本日11日(水)の米CPIも、結果的には遅行指標であると一蹴され、FRB利下げ織り込みに一時的な影響を与えるに留まる公算が大きい。

一方短期的には、関税ヘッドラインはもちろん、日銀や本邦参院選などボラティリティ上昇が見込めるイベントも控えるため、米ドル/円は上下双方の急変を捉えられるよう準備しておきたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。