この記事は2025年6月12日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=grey/stock.adobe.com)

2025年6月12日(木)の午前11時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円相場はトランプ関税睨みの展開が続いている。

昨日11日(水)は、米国と中国がお互いの関税引き下げを決めたジュネーブ合意について、実施の枠組みで一致したことを受けて145.40円台まで上昇した。

しかし、本日12日(木)日本時間早朝にはトランプ米大統領が、2週間以内に一方的に関税率を設定し、各国に書簡を送付する考えを示したことで144円台を割り込んだ。

トランプ氏は「ある時点で我々は単に書簡を送るだけだ」「これがディールであり、受け入れるかどうかはあなた方次第だという内容になる」と発言。

米国にとって難敵である中国との交渉が一息ついたことで、日本や欧州連合(EU)など関税協議を継続中の交渉相手に圧力をかける余裕が生まれたと見ることもできそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米国と日本においては、日本側の交渉担当者である赤沢経済再生相が、明日13日(金)から訪米して6回目の閣僚協議に臨む。

大手メディアは「15日からカナダで開かれるG7サミットに合わせて行う日米首脳会談での合意を目指している」と報じている。

トランプ関税を巡っては不安と期待が交錯していると見られ、米ドル/円相場は145円台の上値が重い一方で、142円台の下値も堅い展開が続きそうだ。

本日12日(木)については、NY市場で発表される米5月生産者物価指数(PPI)や米新規失業保険申請件数などの経済指標のほか、米30年債入札(を受けた長期金利の動き)に注目したい。ただ、いずれも米ドル/円のレンジブレイクにつながる公算は小さいだろう。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。