この記事は2025年7月23日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

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2025年7月23日(水)の午前11時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。
現在の為替相場の傾向や相場観
中東情勢は、これ以上の戦況悪化は考えにくいとの見方から「有事の」米ドル買いが急速に後退している。
日米通商合意と本邦政局懸念で材料が混在するなか、米ドル/円は方向感を欠いている。
相互関税に加え自動車関税も引き下げられた点は、円買いを呼びこんだものの、巨額の対米投資が紐づけられている点は、米ドル買い円売りを想起させた。
赤沢大臣が「任務完了」としたこともあり、日米関税テーマは一旦収束、少なくとも不確実性が一定程度晴れたと捉えて差し支えないだろう。
下方向では参院選結果を受けた本邦財政拡大期待による円売り、上方向ではFRB利下げ期待のドル売りが控えており、米ドル/円は高値圏でのレンジ相場感が強まりつつある。ただ、足元注目されている石破首相の進退次第では、円主導でトレンドが形成される可能性も否定できない。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円については、ヘッドライン相場に入っており、偏った相場観は持たないように気を付けたい。
日米通商合意を背景に日銀の利上げ期待が再燃すれば、円売り方向と比べ織り込み不足であることから短期的な円買いリスク。一方で石破総理退任といった流れになれば、高市氏の名前が上がり、こちらは円安要因。どちらもマーケットが敏感に反応する材料となるのでどちらにもついていけるようにしておきたい。
▽米ドル/円 日足チャート

(画像=羊飼いのFXブログ)
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。