この記事は2025年7月22日(火)に「羊飼いのFXブログ」公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

2025年7月22日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。

現在の為替相場の傾向や相場観

一昨日20日(日)に行われた参院選の結果を受けて、日本の金融マーケットがどのように反応するのかが、これからの焦点となるだろう。

今のところ日本の10年債は金利低下に向かっているものの、20年債、30年債、特に明日23日(水)に入札のある40年債の金利はむしろ上昇している。

目先石破政権が続くため、大きな財政拡張政策は取られないだろうが、選挙結果に示されたように財政拡張を求める有権者の意向には揺るぎないものがあるため、将来的により財政拡張に向かうという道は明確になったのではないだろうか。

そうしたことがこの金利マーケットからは感じられる。

一方、株式市場は本日22日(火)朝、高寄りしたのだが、現在は大きく売られている。それが与党が懸念されたほど敗北しなかった安堵だったのか、将来財政拡張的政策がとられることを好感した上昇だったのかは不明だが、現在は売り込まれている。

財政拡張による成長を期待しているという意味では日本の将来には暗雲が漂っていると海外投資家は見たのかもしれないし、参政党の急伸は日本にも反グローバリズムを掲げる極右政党が登場したということで一定の警戒感を抱かれたのかもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ここからだが、世論からするといずれ財政拡張は避けられないため、将来的には円安だろう。

ただ、トランプ政権の動向も米国の動向も怪しい。怪しいというのは強制的に中央銀行総裁であるパウエルFRB議長を解任しようとする動きがあったりするため、ストレートにドルロングを持つのは危険だと思われる。よって消去法的にクロス円をロングにしていくのが引き続き有効だろう。

トランプ政権の動向を見ていると、トランプ氏自身は上手くいっていると思っているため、どうしてもパウエル氏を退任させたいように見えてしまい、これに対する懸念は非常に高まっている。

WSJ誌にベッセント財務長官がトランプ氏のパウエル退任を阻止したという記事が掲載されているが、トランプ氏はそんなものはフェイクニュースだと発言し、フェイクニュースであると証明するため、パウエル氏を実際に解雇するかもしれない。

そうした緊張がかなり高まっているため注意が必要だ。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。