本記事は、野呂 エイシロウ氏の著書『仕組み化する人はうまくいく 先延ばしをなくし「すぐやる人」になる55の法則』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

スケジュールに「目的」を書くと実行力がアップする
あなたの目の前にある手帳は、単なる予定時間が書かれたメモなのでしょうか?
それとも「未来の予言の書」とするのでしょうか?
それはあなた次第です。
あなたの手帳のスケジュールには、すでに予定がいくつか入っていると思います。
予定の「予」は、「前もって」という意味。「定」は、「そうと決まっていること」という意味と、もう一つ仏教用語で「心を一つの対象に集中して安定させること」という意味があると言います。
予定については、「前もって決まっていること」という意味と「心を一つの対象に集中して安定させる」という意味を肝に銘じましょう。予定の全てを集中して行えば、未来は確実に充実したものになります。
ここで、ちょっと考えてみましょう。
「どうしてその予定があるのでしょうか?」
手帳を眺めてもこの疑問に答えられないのではないでしょうか?
たとえば、9時から12時まで「社内で会議」と書いてあったとしましょう。そう、会社に行き、会議に出るのは前もって決まっていることです。
では、単純に就業時間や会議の時間をやり過ごせばいいのでしょうか?
ハッキリ言ってしまえば、それは人生の無駄。僕もあなたも同じく、人間は会社や社会に貢献すべき動物です。仕事の時間にずっと「会議も仕事もすぐに切り上げて、一杯飲むか」と思っていたとしたら、予定の意味はまるでありません。
会議の例をあげると、「なんでこの場所にいるのか?」「この会議で僕は何を提案すればいいのだろうか?」などと、そのスケジュールが指し示す意味を考える姿勢が何より重要です。目的を「見える化」させるのです。
僕の例で言うと、「アイディアを2本、この会議で通そう」「役員に能力を認められよう」などと、会議の意味を明確に考えるようになってから、時間管理がうまくなりました。
たとえるなら、スケジュールは自分の未来を決めるカーナビのようなもの。ゴールを設定すれば、そこに自動的に意識が向かうようになる効果があるのです。
たとえば、ただ「辛い治療を受けるだけ」という意識だと、積極的に病院に行こうとは思わないかもしれません。
しかし、「血管にこびりついているコレステロールや脂肪をキレイに掃除しよう」といった目的を念頭に置けば、病院に行くのが辛くなくなります。僕は通院のスケジュールには、時間だけでなく、治療の目的も書くようにしています。
では、どのようにスケジュールを入れていくのか、僕の方法を紹介しましょう。
僕は、iPhoneでスケジュールを毎日何度も確認します。
スケジュールには時間と場所を記せばいいわけではなく、「この予定をどう活用するのか?」という目的をあらゆるシーンで想像するためです。この行動は、PDCAサイクルでいうP(Plan:計画)のプロセスに相当します。
そして、会議に参加。PDCAのD(Do:実行)です。予定を実行する時間は、本当に一生懸命に立ち向かいます。オリンピック選手が金メダルをかけた決勝戦に出るのと同じくらいの意気込みで会議に参加するのです。
その後は、C(Check:評価)と、A(Act:改善)です。スケジュールを見ながら「月曜日の会議は失敗。企画書の書き方が悪かった。今度は、こんな表を入れ込もう」などと、木曜日の会議のところに書き込みます。月曜日の会議の反省を木曜日の会議に生かすためです。
こうしたサイクルを繰り返していると、人生が本当に充実してきます。
この例で言うと、木曜日の会議の目的に「前回ダメだった企画を通過させる」と入れると、資料を作る時間も必要だと気づくでしょう。
こうして、自分の叶えたい夢のため、「何をすべきなのか?」「どの本を読むべきなのか?」と、明確なスケジュールが次々と書き込まれていきます。そうなれば、未来は大忙し。
たとえば、僕は放送作家とコンサルタント業をしています。仕事をするうえで毎日、新聞を読み、雑誌も大量に読まなければ、目的に到達できません。
そこで、スケジュールには、
- 朝5時、日経新聞をチェックして、コーナー名と記者名を確認
- それを読んで作戦を立て、7時頃までにクライアントに送る
- 7時からテレビ東京のワールドビジネスサテライトをオンデマンドで倍速で見て、露出ポイントを探す
などと書いています。
そんな毎日を送っています。忙しいですが、目的が定められているので、苦になりません。
スケジュールは未来の予言書です。


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