本記事は、野呂 エイシロウ氏の著書『仕組み化する人はうまくいく 先延ばしをなくし「すぐやる人」になる55の法則』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

誰でも勘違いすると知っている
「人はミスをする動物である」。これは僕の考え方です。
僕自身も毎日ミスをしながら、突き進んでいます。
その都度修正をしたり、それを何とかするためのメモをMac上に書いています。同じミスはできる限りなくしていますが、それでもミスは起こります。ミスは日常茶飯事です。
人間で一番多いミスは、「失念」です。つまり“忘れてしまった”ということ。何としても防ぎたいミスです。
以前の僕は、「曜日を間違えた」「時間を間違えた」「すっぽかした」などのミスを連発していました。スケジュール管理が苦手でした。
信用を失い、仕事をなくした経験は何度もあります。
でも今は皆無です。そうなった秘密は、リマインドメールです。
打ち合わせなどの相手には、必ず前日にメールをお送りします。僕の脳の中ではお昼の12時だと認識していても、スケジュールを改めて確認したら11時半だったというパターンもあります。
待ち合わせ場所を勘違いする場合もあります。
ランチの約束をしていて、新宿にあるパークハイアット東京だと思っていたら、六本木のグランドハイアット東京の間違いだったということは幾度もあります。
大きな損失です。その瞬間から移動したら、20分以上もかかります。
相手と二人合わせて、いったいいくらの損失になったのでしょうか?
場合によっては時給がとんでもないくらい高い方もいらっしゃいます。そうなってくると本当にとんでもない損失です。それを防がなければなりません。
だから、前日に必ずリマインドメールをお送りしています。僕の場合はだらしないので、アシスタントがメールで送ってくれています。
そのメールを前日に読んで、改めて場所や内容を確認したりしています。それが僕の日常です。
以前の僕は毎日のようにスケジュールのミスがありました。でもリマインドをやるようになってから99%、ミスは減りました。
「え、100%じゃないの?」と思うかもしれません。でも実際にはそんなにもうまくいかないのです。それでも勘違いをしてしまいます。
先日は11時の会議を10時と勘違いしました。運よく10時と勘違いをしたので、早く行っただけでした。本当に救われました。人間は勘違いをする動物です。
それに相手が失念している場合もあります。
だからリマインドメールをすることによって、
「よかった野呂さん、忘れていました。ありがとう」
「あれ? ミーティングの場所赤坂じゃなかったっけ?」
「来月の13日の間違いじゃなかった?」
「ありがとう。10時だと勘違いしていたよ。野呂さんのが正解だよ」
というメールを何度もいただいたことがあります。その都度アシスタントに感謝をしています。
目的は、お互いの時間を無駄にしないことです。そのためにリマインドメールを送って確認をするのです。
大切なのは、お互いの限られた時間を有効活用することです。たとえ1分でも無駄に使ってはいけません。そのためにリマインドメールを送ります。一つのメールを送るのにかかる時間はわずか1分足らずです。
もし、10個のスケジュールがあるとしても、10分程度です。
それで多くの無駄な時間をなくし、信頼を得ることができます。
また、リマインドメールを送ったおかげで「野呂くんは慎重だね」と言われたことは数知れず。
ぜひとも確認のメールをしましょう。今すぐできる工夫です。
メールがたくさん来ることを喜ぶ
今のパソコンは、メールを受信するたびに通知する設定にできます。
もちろん、大勢で参加している会議ならその都度メールを返すことも可能です。
ちょっとしたメールならどんどん返せます。
しかし、少人数の会議で自分が発言をしなければならなかったり、活躍しなければならない時はちょっとそれは不可能です。
そんな時は、まとめて返すようにしましょう。
僕は、毎日300通以上のメールをやり取りしています。年末や年度末になると毎日のメールが500通を超えたりもします。その都度返していると気が散って仕事になりません。
ですから普段から1時間に一度を目安に返すようにしています。
メール返信には鉄則があります。メールの返事はできる限りパソコンで行うのです。
なぜならキーボードのほうが圧倒的に速く文字を打つことができるからです。スマホは緊急時のみです。
それ以前にメールで気をつけていることがあります。
メールは電話と同じ、いや面会しているのと同じです。ですから、
- メールを処理する
- 片づける
という言い方をやめています。
というのも、以前はそんな言い方をしていました。でも言葉には言霊があります。
言葉の使い方一つで大きく変わります。
ですから僕は、メールは“声”で電話のようなものだと思って対応しています。時々忙しいと、思わず心を失って、「片づけないと」と思うこともありますが、そんな時は、ハッと思い出して「いかんいかん。メールはそんな雑なものではない」と心を入れ替えます。
さて、以前の僕は、午前中に「メールの返事をする」というスケジュールを入れていました。でも今はそんなことはありません。
できる限り会議を短くし、1時間の会議をできる限り45分で終わるようにしているからです。すると15分を作ることができます。それがメール返信の時間です。
僕は、15秒ぐらいあれば一つのメールに返事ができるので、1分間に4通のペースで返信すれば、10分間に40通の返事ができます。そんな時も頭の中で「面倒くさいな」と思わないようにします。大切なメッセージです。
思考は、そのまま文章に出ます。
ですから「嬉しいな」「メッセージだ」「よし、これに返事をしよう」などとワクワクしながら懸命に返事をします。
そんな10分、15分を1日に10回作ると、それだけでも400通のメールを送ったり返事をしたりすることができます。
大切なのは、スキマ時間を無理やり作ること。そのために懸命に仕事や会議を短くすること。ビジネスにスピード違反はありません。どんどん速度を上げていきましょう。
そのうち、「早くメールが来ないかな」と楽しめるようになります。メールがたくさん来るうちが華です。
さあ、そんな華をたくさん開かせましょう。

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