本記事は、與良 だいち氏の著書『1人起業家マインドセット 「好き」を「稼ぎ」に変えるすごい働き方』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

なぜ、「好きなことがわからない」のか?
1人起業家のタネは、自分の好きなことの中にあります。
でも、「自分の好きなことがわからない」と言う人が少なからずいます。
そんなふうに思ってしまう人は、何らかの思考のブロックが無意識に自分に働いてしまっているのかもしれません。
本当は好きなことがあるのに、それが仕事になんてなるわけがない、と思い込んでいるのです。
いったん仕事のことは保留しておき、自分は何が好きなのか、落ち着いて思い出してみましょう。
今好きなものが思い浮かばなければ、過去にさかのぼって、子どものときに好きだったことを思い出してみてください。
わくわくしたこと、ときめいたこと、夢中になったこと、没頭したこと、何かしら思い出せるはずです。
8歳頃までに好きだったことが重要といった話を聞くことがあるかもしれませんが、年齢にとらわれなくていいです。中学時代、高校時代に好きだったこと、没頭していたことで、全然オーケーです。
…… そういえば自分は、学生時代、映画が好きだった。
思考のブロックが働いてしまう人はこのとき、「でも、今さら映画を仕事にするなんて不可能だ」と考えて、あっさり自分の好きなことを手離してしまうのです。
そうではなく、「好き」という感情をより深く分析してみると、そこに1人起業家のタネが埋まっていることがあります。
「好き」を3つの視点から分析してみる
ひと口に「好き」といっても、3つのパターンの「好き」に分類ができます。
対象のコンテンツ(内容)が好きなのか、対象を取り扱うプロセス(過程)が好きなのか、対象がもたらすパーパス(目的)が好きなのか、です。
映画を例に考えてみましょう。
映画制作や役者に興味がある人は、コンテンツが好きだということです。
映画のレビューを書いたり、配給や宣伝など映画に関わる仕事に興味がある人は、プロセスが好きだということです。
映画を観て得られる感動体験に興味がある人は、パーパスが好きだということです。
これら3つは厳密に区分できるものではありませんが、「映画が好き」というとき、自分の「好き」は、この3つのどこに向けられたものか分析してみると、自己理解が進みます。
すると、コンテンツが好き、それ以外は考えられない、という人は稀なのではないでしょうか。
コンテンツ制作者を目指すのはハードルが高くても、プロセスに関わることを仕事にするのは、どんなジャンルでも十分可能です。
さらに踏み込み、パーパスが自分の「好き」なのだとしたら、1人起業家のタネになる可能性はさらに高くなります。
自分は必ずしも映画に限定しておらず、「感動体験を提供するのが好き」だということに気づけ、「感動体験を届ける起業をしよう」と思考をジャンプさせることができるからです。
ここでは映画を例としましたが、あなたにとっての「好き」も、同じように分析してみましょう。
それだけで、「好きなこと」の捉え方が変化してきます。

行動してみたら見つかる「好き」もある
好きなことが見つからない人は、なんとなくでもいいので行動してみることをおすすめします。「なんかいいかも」程度の直感で、実際にやってみるのです。
そもそも、好きな仕事には2パターンあります。
もともと好きだったことを仕事にするパターンと、やっていくうちに好きな仕事になるパターンです。
起業をサポートしてきた人たちの傾向を見ると、後者の割合は決して低くないと感じています。
僕自身、最初のうちはコンサルティングになんの興味もありませんでしたが、やっているうちにそのおもしろみがわかってきて、今は大好きな仕事になりました。
趣味と同じです。最初から「好き」という趣味はありません。実際にそれを体験してみて、初めてそのおもしろさに気づき、好きになっていくのが通常です。
仕事についても、趣味と同じように、さまざまなことを体験すれば、やがて「好きな仕事」が見つかると言えます。
直感に従って、毛嫌いしないでやってみることも、好きな仕事を見つけるアプローチとなるでしょう。
1人起業家ならば、大きなリスクがないので、さまざまなことにチャレンジできます。

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