この記事は2025年11月26日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2025年11月26日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
注目のマイケル・バリーが昨日25日(火)に発表した内容は、新しいSubstack(※)ニュースレター「Cassandra Unchained」の開設と、AIバブルに関する分析だった。
※「Substack」は、作家やジャーナリスト、クリエイターが有料のニュースレターを配信できるプラットフォーム
主な分析内容は以下の通り
①NVIDIAをドットコムバブルのCiscoに例える警告
ドットコムバブル時にCiscoが中心的な役割を果たしたように、今回のAIブームでは「その名はNVIDIA」と指摘している。Ciscoの株価は1995年から2000年にかけて3800%急騰し、世界で最も価値のある企業となったが、その後80%以上暴落した。これらの数字は、当時のテクノロジーバブルの規模がいかに大きかったかを示す歴史的な事実として広く知られている。マイケル・バリーがこの例を引用してNVIDIAと比較しているのは、現在のAIブームが同様の過熱状態にある可能性を警告するためだ。
②過剰供給の問題
ドットコムバブルの主要問題は「破滅的に過剰な供給と需要不足」であり、「今回も同じ」だと主張している。
③AIブームの5大企業
現在のAIブームの「5頭の馬」として、Microsoft、Google、Meta、Amazon、Oracleを挙げ、これらの企業による大規模なインフラ投資を「輝かしい愚行」と呼んでいる。
バリーはこのSubstackを通じて、ヘッジファンド経営時代には規制で自由に発言できなかった市場分析を、今後毎週発信していく予定とのこと。分析はある程度想像したとおりで、AIバブルの終焉は近いといったもの。
ビットコインが急落したことで、マーケットでは確かにAIバブルの調整が近いという意見が増えている。
ただAI関連はまちまち。MetaやOracleはちょっと不安定という意見は多いのだが、Googleは好調といったように各社で相違があるため、AI関連が全て大幅調整するかどうかは意見のわかれるところ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
昨日25日(火)のマーケットの注目は次期FRB議長人事。
トランプ米大統領の周辺では、ハセット国家経済会議(NEC)委員長が最有力候補に浮上している旨を複数の関係者が明らかにしたとブルームバーグが報じている。ハセット氏がFRB議長に就任すれば、トランプ氏が信頼を寄せる腹心を独立機関であるFRBに送り込むことになり、利下げ志向の政策スタンスをもつ人物とみられている。
これによりドルは総じて軟調に推移。米ドル/円は一時155.80円まで下落。
一方、ウクライナの和平交渉は継続。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの和平合意交渉を巡り、「米国側との協議は続いている」とXでコメント。これに先立ち、ABCニュースは米当局者の話として、ウクライナが和平案の条件に合意したと報じている。関係者によると、領土問題など最も難しく重要な点については、米・ウクライナ間でまだ解決されていないとするも、交渉は継続している模様。
これはスイスフランの売り要因。
米ドル/円は急騰すれば、日銀の介入で急落する可能性が高まるが、高市トレードで10円強急騰したことで、高市トレードを急速にプライスイン(価格に織り込んだ)したため、スイスフラン/円を中心にじわじわと円高モードに。
戦略としては、スイスフラン/円、米ドル/円の戻り売りで臨みたい。
▽スイスフラン/円 日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。




