この記事は2025年11月25日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Sutthiphong/stock.adobe.com)

2025年11月25日(火)の午後12時半時点に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

日本政府当局の介入警戒感がある中で、ここから米ドル/円の上値は次第に重くなると考えている。

先日片山財務相が、「介入というのは日米財務大臣のペーパーにしっかりと入っているため、現状のような段階でドル買いが進めば断固とした処置をとる」といった発言をした。いつもポイントとなる「断固」という言葉を使ったため、介入に対してワンノッチ上がったと見ている。

このように日本当局から出てくる発言を考えても、158円より上は厳しいのではないだろうか。

米国の利下げ(25bp)に関しては来月12月実施との見方が濃厚なのだが、日本の利上げに関しては不明。

もし、日本が利上げ、米国が利下げをしてなおかつ介入が入れば、それは一気に150円台前半辺りまで急落する可能性はある。ただ日本の利上げに関して、あまり実施の気配が感じられない。

高市政権や片山財務相は、やはり日本の物価高を止めなければいけないと感じているわけで、となるとドル高は輸入物価水準を押し上げるため、結果的に円安・ドル高は止める方向だろう。

また米政府閉鎖中の経済指標が少しずつ発表されているが、通常のサイクルに戻るのはやはり来年の1月くらいにならないと難しそうだ。となると、米国の特に労働関係の指標悪化を見込んでいるのだが、それを正確に確認出来るのは1月よりさらに先になりそうだ。その影響で来年もしかすると米ドル/円が結構下落するかもしれない。

また、トランプ米大統領の支持率が低下してきており、中間選挙に向けて「TACO(タコ)」りそうだ。票の獲得に向けて、これまでのような強気発言が弱まりそうな気がしている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、154.45~158.00円。

先週158円に迫った(高値157.89円付近)局面があったため、その辺りまでの上昇は予想範囲に入れている。しかしながら、介入警戒感もある中、それを超えて158円台、159円台とどんどん上昇するというイメージではない。

戦略としては米ドル/円の戻り売りで臨みたい。

157円台ミドルから158円にかけてはしっかりショートを振りたいが、154円ミドルから155円割れにかけてはしっかり利食って行きたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。