本記事は、野嶋 康敬氏の著書『社員が幸せと感じてくれる会社のつくり方』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

社員が幸せと感じてくれる会社のつくり方 「顧客本位」がすべてを解決する
(画像=Max_T/stock.adobe.com)

社会貢献活動の原点は「弱っている人の役に立つ」こと

社会貢献活動は、「保険代理業」という私たちの仕事とも分かちがたく結びついています。
保険とは、人が事故や病気、災害といった人生における「万が一」の事態に直面し、最も弱っているときに、その人の経済的な基盤を支え、再び立ち上がるための力を与えるしくみです。
そして、保険とはその「万が一」が発生したときこそその力を発揮しなければなりません。お客様が事故で途方に暮れているとき、相手から理不尽な要求を突きつけられているとき、私たちは「楯」となって現場に駆けつけます。時にはビジネスパートナーである保険会社とさえ闘い、その正当な利益を守り抜きます。
つまり、私たちの仕事の本質は、つねに「弱っている人の味方」であり続ける、という一点に尽きるのです。

だとすれば、社会貢献活動に対しても同じベクトルを向けるのは、当然のことです。
世の中には、さまざまな理由で困難な状況に置かれている人たちがいます。災害で家を失った人。難病で苦しんでいる人。経済的な理由で夢を諦めざるをえない子どもたち─。
社会と関わる際には、つねにそうした弱っている人の側に立ち、寄り添う。たとえ束の間であっても「トップ保険サービスさんがいてくれてよかった」とほっとした気持ちになってもらう。それが、社会との関わりにおける私たちの変わらないスタンスです。
そこには、保険の契約があるかないか、は関係ありません。目の前で誰かが困っている。社会の中に助けを必要としている人々がいる。その事実を知ったとき、私たちが見て見ぬふりをすることは、自らの存在意義を否定することに等しいのです。

たとえば、公園の清掃活動。私たちはただゴミを拾っているのではありません。その公園を利用する地域の人々に「ああ、この公園はいつもキレイで気持ちがいいなあ」「ここに来るといつも安らげるなあ」と感じてもらう。その「よかった」の数を少しでも増やすためです。
地域のイベントへのボランティア参加。私たちはただ労働力を提供しているわけではありません。そのイベントが成功し、参加した人々が「今日は楽しい一日だった。参加してよかったなぁ」と笑顔で家路につく。その「よかった」の数を少しでも増やすためにお手伝いをしているのです。

もちろん、これらのボランティア活動も最初から社内全員が一丸となって行なっていたわけではありません。最初のうちは社員それぞれに温度差があったと思います。しかし、最初に一人が毎週週末の朝、ゴミ拾いを自発的にするようになった。彼が「感謝されるって気持ちいい」と感じた。それを見ていた別の社員が、「そんなに気持ちがいいなら」と参加するようになった。そんなふうに社員の中でボランティア活動が始まり、最初は自分の「嬉しい」から始まったものが、「喜んでもらえてよかった」に変わっていったのです。
つまり、私たちの社会貢献活動は、単なる自己満足ではありません。保険という事業を通じて「弱っている人の役に立つ」という私たちの宣言を、地域社会というより広い舞台で実践するための「本業」なのです。

「本業」だから災害があれば平日でも駆けつける

2020年7月3日から4日にかけ、熊本県内で甚大な豪雨災害が起こりました。観測地点によっては1日で7月の1カ月分に相当する降水量を記録し、河川の氾濫、土砂崩れなどを引き起こしました。
2日後の7月6日。トップ保険サービスの有志社員3名が北九州を出発。翌7日に熊本に到着し、人吉市、芦北町で物資のお届けと、現地での復旧ボランティアに従事しました。
翌日にはもう3名が合流し、清掃、排水などの復旧作業をお手伝いしました。
2019年に佐賀県で豪雨災害が起こった際は同県の武雄市に入り、泥かきや水浸しになった家財の分別を行ないました。2018年の西日本豪雨災害でも、複数名の社員が広島県呉市の被災地で、土砂の掻き出し作業などのボランティアに従事しました。

地震、台風、豪雨。近年、日本列島は毎年のように大規模な自然災害に見舞われています。そうした非常事態が発生したとき、私たちは迷うことなく被災地に向かい、物資提供や復旧作業のボランティアに従事しています。
それは、休日を利用したボランティア活動ではありません。私たちにとっては「本業」の一環なので、平日の業務時間内に行っています。

私たちの仕事の本質は、お客様が「万が一」の事態に陥ったときにその「楯」となること。だとすれば、災害によって家を、仕事を、そして日常を奪われ途方に暮れている人々がいるのに「いまは業務時間中だから……」と見て見ぬふりをすることはできません。
それに、被災地でのボランティア体験は、社員を一人の人間として大きく成長させてくれます。当たり前の日常のありがたさ。人と人が助けあうことの尊さ。机上の研修では決して学ぶことのできない、生きるうえで最も大切なことを、彼らは現地で学んで帰ってきます。その経験は、日々の保険代理業の仕事にも確実に還元されていると実感します。

お客様が事故に遭われたときの痛みや不安に、心から寄り添うことのできる人間的な深み。お客様の「楯」となるうえで土台となる人間性が、社会貢献活動を行なうことで養われます。社会貢献活動は、座学だけでは得られない「人間学の修行」でもあるのです。

社員が幸せと感じてくれる会社のつくり方
野嶋 康敬(のじま・やすたか)
トップ保険サービス株式会社代表取締役、お客様サービス本部長。1964年生まれ、福岡県出身。上智大学卒業後、東京海上火災保険株式会社(現東京海上日動火災保険株式会社)に入社。約8年、法人営業、支店統括業務を経験。30歳のとき父の会社が破産したことをきっかけに家業を継ぎ、トップ保険サービス株式会社を設立。2002年、代表取締役社長に就任。経営品質との出会いから「顧客本位」を徹底。「自立型組織」のしくみづくりに奔走し、リスクマネジメントや幸せマネジメントをテーマに、年間40回を超える講演活動を全国で行なう。北九州地区空手道連盟理事長(公認五段)、茶道裏千家淡交会北九州支部幹事。プライベートでは3人娘の父。

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