本記事は、幾波 慶一氏の著書『行動と結果がついてくる すぐやる人の思考法』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

行動と結果がついてくる すぐやる人の思考法
(画像=ponta1414/stock.adobe.com)

できる人がやっている「分解の技術」

仕事で失敗する多くの理由は、作業分解がうまくできていないことにあります。
作業分解ができていないと、手順を間違えてやり直す工程が生まれたり、どこからやり直せばいいかわからなくなったり、結果として準備不足でクオリティが下がってしまいます。

作業分解は、いくつかのポイントを意識すれば簡単にできるようになります。
まず、目の前にある大きな仕事をそのまま取り組むのではなく、具体的な作業に分解します。自分が考えるできるだけ小さな作業に分けていくのです。作業を細かくすることで、仕事の進捗を見える化し、次に何をすべきかが明確になります。これにより、途中で迷うことなく進められます。

次に、小さく分解した作業に対して、必要なリソースを意識します。その作業を進めるにあたり、必要な道具やソフトウェア、時間、さらには人材など、事前に必要なものを洗い出す。これにより、後々の作業がスムーズに進みます。先に整理することで、準備不足での手戻りを防げます。

さらに、作業を細かく分解したあとは、優先順位をつけることが不可欠です。どの作業を最初に行うべきか、どの作業がもっとも手間がかかり、コアになるのか。優先順位をつけることで、効率的に作業が進み、ムダな時間を減らせます。

最後に、作業を進めていく中で定期的に進捗を確認し、次に何をするべきかを振り返る。途中で問題に気づき、すぐに修正を加えることができるためです。これをすることで、作業の質を高められます。

作業を細かく分けておくことで、修正が容易になり、行動の柔軟性がぐっと高まります。予期せぬ変更やトラブルが起きても、全体をやり直す必要はなく、一部の工程だけを見直せば済むためです。

こうした小さな調整が、結果として大きな差につながっていきます。

ほかにも作業を分解して進めることで、自分の仕事の全体像を俯瞰できるようになります。どこに時間がかかっているのか、どの工程がスムーズなのかが見えると、自分の強みや課題も見えてきます。これが仕事の改善につながっていくのです。

作業分解は効率化のテクニックではなく、自分の仕事の質を高め、成長を加速させるための土台ともいえます。初めは面倒に思えるかもしれませんが、慣れてくると「分解して考えるクセ」がつき、複雑な仕事ほどスムーズに進められるようになっていきます。

正しい作業分解は「1分」で判断できる

では、「正しい作業分解」ができているかどうかは、どうやって判断すればいいのでしょうか?

答えはシンプルです。

1分以内に行動できるかどうか。

これが、分解が正しくできているかどうかの「ものさし」になります。
仕事においては、丁寧にやるよりも動き出せるかどうかのほうが圧倒的に重要です。

たとえば、これから「やるべきリスト」として会議の準備とだけ書いていたとします。しかし、このままだと実際に何をすればいいのかが曖昧で、「あとでやろう」「なんとなく手をつけづらい」と感じてしまいませんか?

これは、作業がまだ思考の段階にあるからです。
「準備って何から始めればいいんだっけ?」と悩んでしまうなら、それはまだ分解が足りないことになります。

どうすれば1分以内に動ける状態になるのか?

答えは、「動詞」で終わるタスクにまで落とし込むことです。
「会議の準備」ではなく、「議事録を読む」「資料のファイルを開く」「メールでアジェンダ(進行表)を関係者に送る」といったように、何をするのかが具体的に見えてくる言葉に変えていきます。

このレベルにまで細かくなっていれば、考え込まずにすぐに手が動きます。
迷いが生まれない状態。
それが「1分以内に動ける」作業分解の判断基準です。

分解した作業が、「動詞で終わっているか」をチェックするだけで、作業のスピードと質は変わってきます。逆にいえば、「名詞」で終わっているタスクは、まだ分解が必要なサインです。

「脳の整理整頓」

作業を分解することは、ただ仕事を細かくするだけではありません。
作業分解は、脳の中のモヤモヤした不安を取り除き、「今、何をすべきか」を明確にするための整理整頓でもあります。

漠然とした仕事に悩むのではなく、しっかりと仕事の作業を明確にすることで、目の前の「今」に集中できます。

結局のところ、私たちがつまずくのは「やり方」ではなく「始め方」です。まず頭の中を「書く」ことで可視化し、思考のモヤを晴らす。書き出して、分けて、行動していく。たったそれだけで、仕事のスピードも、安心感も変わってきます。

1分で動けるように、仕事を動詞化する

行動と結果がついてくる すぐやる人の思考法
幾波 慶一(いくなみ・よしかず)
世界初の本格カラーレーザープリンターを開発した男
株式会社TTRコンサルティング代表、成果直結型ビジネスコーチ国産初の自動両面複写機構の発明など、出願特許150件以上のプロジェクトマネジャーのスペシャリスト。開発した商品は、キヤノンで利益率1位を獲得した。キヤノンで働いていたときのニックネームは、「失敗しない男」「スーパーマン」。
現在は、企業コンサルティングを行いながらも、「頭×行動」をつなげる思考法を用いて中学受験のコーチングや不登校の子どもの学習面の支援などを行っている。会社で得た利益の一部を全国の子ども食堂や大学生のボランティアの無料学習塾などに寄付。

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