本記事は、幾波 慶一氏の著書『行動と結果がついてくる すぐやる人の思考法』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
結果を出す人が考えていること
同じオフィスで同じ時間働き、同じような業務を担当しているにもかかわらず、なぜか余裕があって、どんなに複雑で困難な状況に直面しても軽やかに処理してしまう人がいます。
仕事で結果を出す人を観察していると、人より多くの時間を費やしているわけでも、特別な技術を駆使しているわけでもありません。仕事ができる人が持っているのは、「物事のとらえ方」「考える順番」「行動の基準」といった思考のパターンです。
できる人の思考プロセスは、仕事をする際の一連の流れが非常に洗練されています。
何から考え、どこに意識の焦点を置き、どのタイミングで立ち止まって検証し、どのような基準で判断を下すかを把握し、さらにリスクをどう予測し、計画と現実のズレをどう早期発見し修正するかなどまでも、事前に考えています。
この思考の流れが、できる人が仕事に取り組む前に考えていることです。
一方で、仕事に慣れていない人や、いつも忙しさに追われて余裕を失っている人の多くは、まったく異なるアプローチを取ります。とにかく手を動かすことから始めてしまうのです。
資料作成の依頼が来れば、まずパワーポイントを立ち上げ、似たような資料を探し出し、なんとなく流れを決める。営業報告が必要なら、とりあえず起こった事実を時系列に並べて、形を整えて提出する。このような取り組み方は、真面目で仕事に対して積極的に見えます。
しかし、これは「何のためにやるのか」という目的意識を考えていません。目的が明確でないまま作業を開始することで、そのあとのすべての工程が方向性を失い、効率性も成果も大幅に損なわれることになります。深刻な問題は、このような型のない仕事によって場当たり的になってしまうことです。
「なぜそれをやるのか」
「最終的にどこに向かおうとしているのか」
この二つの質問に対して、明確な言葉で回答できなければ、目の前の仕事はこなすだけの作業となり、仕事の能力が向上することはありません。このような仕事を何度繰り返しても、効率性も生産性も上がらず、スキルの蓄積にもならないのです。
優秀な人の思考プロセス
仕事ができる優秀な人は、仕事に取り組む前から考えています。
仕事を受けた瞬間に多角的な視点で物事をとらえます。
表面的な要求だけでなく、その背景にある課題、関係者の期待値、組織全体への影響、さらには将来的な展開や可能性まで分析をします。これは時間をかけた深い思考ではなく、習慣化された思考の型によって、頭の中で処理しているだけです。
そして、必ずその仕事の成功の定義を決めています。
仕事が完了したとき、
「どのような状態になっていれば、成功といえるのか」
「誰にとってどのような価値を提供できれば、目標達成となるのか」
と、具体的かつ測定可能な形で成功の基準を設定します。これが、そのあとのすべての判断と行動の指針となります。
ほかにも、優秀な人ほど事前に制約条件を把握します。時間(締め切り)、予算、人的リソース、技術的制限、組織の制約など、自分が置かれている現実的な条件を正確に理解し、その中で最大の成果を生み出す方法を考えます。
厳しい制約を嘆くのではなく、制約の中での最適解を見つけることに集中しているのです。成果を出す人は、「今できること」にフォーカスし、動きながら軌道修正していきます。
一方で、動いているのに成果を生み出せない人ほど、「まず調べてから」「もう少し考えてから」と、仕事の前提部分の調査にばかり時間をかけてしまい、実際に手を動かす行動の時間が圧倒的に少なくなります。
動くにも、動くなりの理由を持って仕事に取り組んでいる人が再現性のある成果を何度も出せるようになるのです。
「思考法」で、仕事の流れをつくる
株式会社TTRコンサルティング代表、成果直結型ビジネスコーチ国産初の自動両面複写機構の発明など、出願特許150件以上のプロジェクトマネジャーのスペシャリスト。開発した商品は、キヤノンで利益率1位を獲得した。キヤノンで働いていたときのニックネームは、「失敗しない男」「スーパーマン」。
現在は、企業コンサルティングを行いながらも、「頭×行動」をつなげる思考法を用いて中学受験のコーチングや不登校の子どもの学習面の支援などを行っている。会社で得た利益の一部を全国の子ども食堂や大学生のボランティアの無料学習塾などに寄付。
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