本記事は、幾波 慶一氏の著書『行動と結果がついてくる すぐやる人の思考法』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
紙1枚でできる「読書思考法」
ビジネスの最前線を走る企業のトップ経営者、起業家、組織を変革したリーダーには、共通する習慣があるように見えます。
それは「本を読む」行為です。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツは年間約50冊を読み、週に数回、「考える週(Think Week)」を設け、外部との接触を絶って読書と深い思考に専念する時間を取っているといわれています。世界三大投資家として知られるウォーレン・バフェットも、1日に5〜6時間を読書に費やしています。X(旧Twitter)のオーナーでもありテスラのCEOでもあるイーロン・マスクは、幼少期から読書家です。
ある調査によると、平均的な年収の層に比べ、経済的に成功している層の約8割が「1日30分以上の読書」を習慣にしており、多忙なCEOの平均読書量は年間60冊にものぼっています。
現代は情報があふれる時代です。本や記事、ニュース、論文、ウェブコンテンツなど、目に入る情報量は膨大で、ただ読むだけでは頭の中に残らず、知識や思考として活用することは難しいといえます。
それにもかかわらず、なぜ読書が仕事力に活かせるのでしょうか?
彼らは、情報収集のために読書をしているわけではありません。
読書を通じて、意思決定の精度を高め、創造的なアイデアを生み出す思考回路を鍛えているのです。心理学では、これを「自己言語化」と呼びます。自己言語化とは、頭の中に入ってきた情報を自分の言葉として外に出すことで、理解を深め、思考を再構築する働きのことです。
彼らにとって読書とは、「知識のインプット」ではなく、「自分の思考を言葉で鍛えるアウトプットの時間」になっています。読むだけでなく「自分なりに解釈し、説明する」行為が、学習効果を格段に高めるのです。
読書を最大限に自分の力に活用するために必要なのは、ここでも同じですが「紙に書く」こと。読書の要点、気づき、次に試す行動をまとめるだけで、読書はアウトプットと結びつき、行動力の向上につながります。
それと、何を読むか「選択する」ことも大切です。
読む前に「今日この本から何を学びたいのか」「どんな問題を解決したいのか」と自分に問いかけます。これは、ビジネス書に限ったことではありません。文芸書であれ、児童書であれ、自分の目的を明確にして読書を始めるのです。目的を意識した読書は、どんなジャンルの本でも思考のトレーニングに変わります。
小説を読むとき、多くの人は物語を「楽しむため」に読むかもしれませんが、視点を少し変えるだけで、登場人物の思考や行動の理由を読み取る練習になります。「なぜ主人公はこのような発言をしたのか」と問いかけながら読むと、他者の心理を深く理解する力(メンタライジング)が鍛えられます。これは、仕事でチームメンバーや顧客の立場に立って考える力に結びついてきます。
ミステリーやファンタジーなどのジャンルでは、仮説思考を磨くことができます。伏線や謎が提示されたときに、「この展開はどんな理由で起こるのか」「作者は何を伝えたいのか」と自分なりの仮説を立てながら読み進める。そうすることで、予測を立て、結果を検証し、思考の精度を上げるプロセスを経験できます。仮に予測を超えた物語であれば、「報酬予測誤差」により、思考の幅が広がります。
そして、本を読み終えたあとに忘れずに「何を感じたか」「どんな気づきがあったか」を書き留めます。読む前の自分と読んだあとで何が変わったのか、自分に問いかけていくのです。読む本のジャンルや内容よりも、どう読むか・どう自分に結びつけるかが、成長を決定づけます。
書く技術を、日常に落とし込む
株式会社TTRコンサルティング代表、成果直結型ビジネスコーチ国産初の自動両面複写機構の発明など、出願特許150件以上のプロジェクトマネジャーのスペシャリスト。開発した商品は、キヤノンで利益率1位を獲得した。キヤノンで働いていたときのニックネームは、「失敗しない男」「スーパーマン」。
現在は、企業コンサルティングを行いながらも、「頭×行動」をつなげる思考法を用いて中学受験のコーチングや不登校の子どもの学習面の支援などを行っている。会社で得た利益の一部を全国の子ども食堂や大学生のボランティアの無料学習塾などに寄付。
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