本記事は、長友 大典氏の著書『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』(すばる舎)の中から一部を抜粋・編集しています。
社外CFOの仕事は「投資の判断」と「銀行との関係構築」さえできればいい
ここからはいよいよ、社外CFOとして具体的にどのような視点で企業を支えていくのかを解説していきます。
ここでひとつ質問です。
企業を永続的によくしていくために、もっとも力を入れるべき「財務戦略」はなんだと思いますか?
「節税」「コスト削減」「財務分析」などを思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、それぞれ大切ではありますが、本質的な解決策とは言えません。
たとえば節税も、支出のともなわないものであればよいのですが、多くの節税では手もとの現金が減ってしまい、かえって経営が苦しくなったというケースが少なくありません。
社会保険料や固定費の削減も、実行できれば効果はありますが、それだけに注力して売上が落ちてしまっては意味がありません。また、財務分析を行い、「自己資本比率が低いですね」「流動比率が悪いですね」と問題を指摘するだけの方はたくさんいますが、多くの社長は問題があることはすでに理解しています。本当に知りたいのは、「では、どうすればよくなるのか?」という未来への道筋です。
すなわち、問題の指摘ではなく、解決の設計図を一緒に描くことこそが、社外CFOに求められている役割です。
企業が成長し、社長のビジョンが達成されるために必要な財務戦略は「投資の判断」と「資金調達の支援」、つまり「銀行との関係構築」です。
投資と言うと、「設備投資」や「システム導入」といったハードに関するものというイメージを持つ方が多いのですが、実際にはそれだけではありません。人材への投資、時間の確保、新しいチャネルへの挑戦、研修への参加、採用活動など、未来に成果を生み出すための支出はすべて「投資」として捉えることができます。
まず押さえておいてほしいのは、企業がうまくいかない理由の多くは、この投資判断に関する失敗、もしくはそもそも投資自体をしていないことにある、という現実です。
逆に成果を上げている会社では、適切に投資を行っており、将来の売上につながる行動を継続しています。
私自身、まだ社外CFOとして活動する前、アミューズメント施設だけを経営していたころには、何にお金を使うべきか日々悩んでいました。集客施策、機器の入れ替え、人材育成、出店計画など、そのすべてにおいて、「これは本当に投資してよいのか?」「いつまでに回収できるのか?」と問い続ける毎日でした。当時はなんでもひとりで判断していたため、非常に多くの時間と労力をかけていたわけです。
もしあのころに戻れたら、過去の自分に社外CFOの存在を教えてあげたいほどです。
なんでもひとりで抱え込んでいたあのとき、いまの自分のような“相談できる財務のパートナー”がいたら、どれだけ心強かっただろうと感じます。
社長の多くは、常に判断に迫られています。しかもそれは、感情や経験、直感によって決めてしまいがちな領域です。だからこそ、社外CFOがロジカルに投資の判断を支援することが、非常に価値の高いサポートになるのです。
そしてもうひとつ、投資をするには当然、その元手となる資金が必要です。投資を自己資金だけで行うのは得策ではありません。しっかりと銀行からお金を調達する必要があります。
そのときに重要になるのが、銀行との関係構築です。
銀行は、企業の将来性と信頼性を見て融資を判断します。つまり、社外CFOが社長の横に立ち、適切な説明や交渉を行うことで、資金調達の成功率が大きく上がるのです。
実際、多くの社長が社外CFOに最初に相談することも、
「この投資をしても大丈夫か?」
「銀行にどう話せばいいか?」
という2つに集約されます。
「投資判断」と「銀行との関係構築」。この2つをしっかりサポートできることこそが、社外CFOとしての信頼を築き、長く必要とされる存在になるための核となります。
この章では、「投資判断」についての思考を整理するフレームワークとして、「財務の7マインド」を紹介していきます。
読み終えるころには、あなたも社長とともに、投資を判断できる“財務の思考軸”を身につけているはずです。
アミューズメント企業の経営に携わる厳しい父のもとで育つ。小学生からプロ野球選手をめざすが、高校時代に肩を故障して挫折。
西南学院大学法学部卒業後、九州松下電器株式会社に入社。半導体の外販部門でトップセールスマンとなり、27歳で父とともにアミューズメント会社を設立して独立するも、不況の影響を受けて業績・資金繰りともに厳しい状況が続く。
金融機関と粘り強く交渉を重ねるなかで、事前準備や銀行戦略の重要性に気づく。以後は資金調達も順調に進み、加えて投資判断のフレームワークを確立したことで、年間5,000万円以上の経常収支を安定して確保できるようになった。
これらの経験を活かし、社外CFO(CFO代行)としての活動を開始。現在では、月額50万円のサービスを5社に提供中。1時間の相談料10万円と高額ながら、依頼が絶えない。「倒産寸前の会社が年商10億円超えにV字回復」「ベンチャー企業が3年で年商7億円超え」など、サポート成功実績も多数。累計資金調達額は60億円を超える。
「中小専属CFO養成アカデミー」を主宰し、税理士、公認会計士、企業経理、財務コンサルタントをはじめ多様な人向けに、社外CFOになるためのメソッドを指導する。高額講座ながら、1年で売上1億円達成や、4か月でCFO案件14件受注など、多数の実績者を輩出しコスパ抜群との評価が多い。
趣味はゴルフと野球。毎日30分の散歩が至福の時間。
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