本記事は、長友 大典氏の著書『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』(すばる舎)の中から一部を抜粋・編集しています。

社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法
(画像=Bhavesh/stock.adobe.com)

“何かあってから”では銀行はお金を貸さないから、日ごろの銀行取引を始める

企業が成長し、社長のビジョンが達成されるために必要な財務戦略は、「投資の判断」と「資金調達の支援」、つまり「銀行との関係構築」です。
とは言え、CFOとしてよく投げかけられるのは、「融資って、リスクじゃないんですか?」「できれば、借金はしたくないんですが……」という声です。
気持ちはわかります。借金という言葉にはネガティブなイメージがつきまといますし、失敗したらどうしようという不安もあるでしょう。
でも、本当に「融資= リスク」なのでしょうか?

たとえば現金1,000万円しかない会社が、新しいビジネスを始めるのに800万円を自己資金で投じたとします。手もとに残るのは200万円。この状態で新規事業がうまくいかなかった場合、どうなると思いますか?
当然、資金が尽きて、あっという間に倒産の危機に直面します。

一方、同じ1,000万円の現預金を持つ会社が、800万円を銀行から借りて投資したとしたらどうでしょうか? 手もと資金は1,000万円のままです。
仮に新規事業がうまくいかなくても、立て直すだけの時間と選択肢があります。
どちらの会社のほうが潰れにくいかは、明らかです。

会社が潰れる原因は、3期連続赤字だからでも、利益が出ていないからでもありません。
現預金が尽きたとき、つまりキャッシュアウトしたときに、会社は倒産するのです。
CFOであるあなたが守るべき“キャッシュ”は、企業にとっての血液です。銀行融資は、その血液が不足する可能性があるとわかった時点で“輸血”の用意をするようなものです。だからこそ、銀行との関係性は“いざというとき”に力を発揮します。必要なときにすぐ輸血を受けられるように、通常時から信頼関係を築いておくのです。
「ピンチのときに借りられるようにしておけばいいのでは……」と思っている方も多いのですが、残念ながら“雨が降ってからは傘を貸さない”のが銀行の習性です。調子が悪くなってから「貸してくれ」と言っても、まず貸してもらえません。
それは、銀行にも銀行の事情があるからです。

第1の理由は「返済リスク」です。業績が悪化している会社にお金を貸すと、銀行側は「貸倒引当金」という損失リスクに備えた会計処理をしなければなりません。これを多く積むことになれば、銀行自身の業績が悪化し、ほかの優良企業への貸出余力にも影響が出てしまいます。
第2の理由は「信頼関係がない」からです。たとえば、あなたのところに見ず知らずの人がやってきて、「1,000万円貸してください」と言ったらどう思いますか? ふつうは貸さないと思います。誰かもわからず、返してくれる保証もないからです。
銀行もまったく同じ感覚で判断しています。だからこそ、日ごろからの小さな取引こそが、信頼関係の構築につながるのです。
では、銀行にとっての“信頼”とは何か? それは返済実績です。日常的に借入を行い、約束どおりにコツコツ返済を続けることです。ただそれだけのことですが、それこそが銀行にとっては一番の安心材料になります。

ここで、社外CFOとして注意すべき点があります。
スポット的な資金調達支援だけをしている方のなかには、「一発勝負」で無理な融資をとおそうとする方がときどきいます。たとえば盛られた数字の事業計画書を提出したり、複数行に競わせて無理やり借りるような手法です。
ただ、仮にそれで融資がとおったとしても、実行後に経過報告がなく、1年後の決算で初めて「思っていた業績と全然違う!」とわかるようでは、銀行は「騙された」と感じます。次の融資はまずとおりませんし、企業としての評価も下がってしまいます。
我々CFOは、常に長期的な関係性を見据えた銀行対応をするように心がけてください。

銀行員も人間です。いざ融資をお願いしたときに、
あの会社のビジネスモデルはこうで、あの社長はこういうタイプで、いまはこういうタイミングなんです
と銀行の担当者が自分の上司に説明できれば、稟議書もとおりやすくなります。
関係性は、ある日突然つくられるわけではありません。だからこそ、いまこの瞬間から、銀行取引をスタートしておくべきなのです。

社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法
長友 大典(ながとも・だいすけ)
中小専属CFO養成アカデミー 主宰/社外CFO・財務コンサルタント/有限会社トークファイブ 代表取締役
アミューズメント企業の経営に携わる厳しい父のもとで育つ。小学生からプロ野球選手をめざすが、高校時代に肩を故障して挫折。
西南学院大学法学部卒業後、九州松下電器株式会社に入社。半導体の外販部門でトップセールスマンとなり、27歳で父とともにアミューズメント会社を設立して独立するも、不況の影響を受けて業績・資金繰りともに厳しい状況が続く。
金融機関と粘り強く交渉を重ねるなかで、事前準備や銀行戦略の重要性に気づく。以後は資金調達も順調に進み、加えて投資判断のフレームワークを確立したことで、年間5,000万円以上の経常収支を安定して確保できるようになった。
これらの経験を活かし、社外CFO(CFO代行)としての活動を開始。現在では、月額50万円のサービスを5社に提供中。1時間の相談料10万円と高額ながら、依頼が絶えない。「倒産寸前の会社が年商10億円超えにV字回復」「ベンチャー企業が3年で年商7億円超え」など、サポート成功実績も多数。累計資金調達額は60億円を超える。
「中小専属CFO養成アカデミー」を主宰し、税理士、公認会計士、企業経理、財務コンサルタントをはじめ多様な人向けに、社外CFOになるためのメソッドを指導する。高額講座ながら、1年で売上1億円達成や、4か月でCFO案件14件受注など、多数の実績者を輩出しコスパ抜群との評価が多い。
趣味はゴルフと野球。毎日30分の散歩が至福の時間。

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