本記事は、新井 亨氏の著書『トップ1%の富裕層が子どもに伝える 世界一のお金の教育』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。

トップ1%の富裕層が子どもに伝える 世界一のお金の教育
(画像=jirsak/stock.adobe.com)

「お金を貯めなさい」は貧乏教育の典型

日本では長い間、子どもに対してこう教える家庭が多くありました。「お金をしっかり貯めなさい」。
この言葉自体は決して間違いではありません。むしろ、浪費を防ぐ意味では大切な考え方でもあります。
しかし、貯金だけを教える教育は、現代の世界経済の中では危険な考え方になりつつあります。
なぜなら、世界経済は常に成長し続けており、同時にインフレが起きているからです。
インフレとは、物価が上昇することを意味します。多くの先進国では、年に3〜4%程度のインフレが起きています。つまり、何もしなければお金の価値は毎年少しずつ下がっていくのです。
もしあなたの資産が年3%以上で増えていなければ、実質的には「貧しくなっている」ということであり、これは非常に重要な事実です。にもかかわらず、日本ではこの感覚が非常に薄いのが現実です。

その理由の1つが、日本が地理的に孤立していることにあります。日本は他国と陸続きではないため、他国のインフレや物価上昇を日常的に体感しにくいのです。
しかし、一歩海外に出ると、多くの人が驚きます。
「こんなに物価が高いのか」
「日本より給料が高い国がこんなにあるのか」
かつては、日本に仕事を求めてやって来る外国人が多くいました。
しかし、今は逆になっており、日本の若者が、より高い時給や収入を求めて海外へ働きに行く時代になっています。
これは何を意味しているのでしょうか。それは、日本が相対的に貧しくなってきているという現実です。
この変化に気づかず、「とにかく貯金していれば安心」と考えていると、知らないうちに世界から取り残されてしまいます。
実際に、年3%のインフレが続く世界では、資産を運用していない人は、静かに価値を失い続けています。つまり、「何もしていないこと」が最大のリスクになっているのです。
だからこそ、これからの時代に必要なのは貯める力だけではありません。「お金を守りながら増やす力」です。銀行にお金を預けているだけでは、お金の価値は少しずつ溶けていくのです。

たとえば、1,000万円を銀行に預けていたとします。金額は変わらなくても、インフレが起きると実際の価値は下がっていきます。年4%のインフレが50年続くと、1,000万円の価値は約140万円程度まで目減りします。金額は変わらなくても、実際に買えるものは7分の1程度になるのです。
「貯金していれば安心」という感覚がいかに危険か、この数字が示しています。
つまり、運用をしていない人は、知らない間に資産が減っているのと同じ状態なのです。
資産運用をしない日本人は、世界中でどんどん差を広げられてしまうのです。
最低でも、インフレ率である年3%を上回る運用を目指すという基準を持つだけでも、将来の資産は大きく変わります。
華僑の家庭では、この現実を前提に教育が行われています。

一方、日本では「貯金が安全」という考え方が強く残っており、世界一といわれる日本のタンス預金は世界経済の視点で見れば、資産を減らしているのと同じ状態なのです。
実は私自身も、若い頃に海外でその現実を目の当たりにしました。

2002年に北京へ留学したときのことです。中国では毎年物価が上がり、不動産価格も上昇し、人々の所得も増えていきました。つまり、経済が成長すると同時にインフレが起きていたのです。
その環境を目の前で見て、私ははっきり理解しました。お金は貯金しているだけでは価値が減っていく。
だからこそ華僑の家庭では、子どもにこう教えます。
「お金はできるだけ運用して循環させなさい」
貯めるだけではなく、投資をして、資産収入を持ってお金を働かせるという考えを持つことで初めて、お金の価値を守ることができるのです。
世界経済は常に成長しています。その流れの中で、お金を眠らせておくのか、それともお金を働かせるのか。
この選択によって、将来の資産は大きく変わります。
子どもに教えるべきなのは、ただ貯金をすることではありません。お金をどう守り、どう増やすかを理解することです。

億りっ子が育つルール

インフレの世界では、貯金などの運用しないお金は静かに価値を失う。

トップ1%の富裕層が子どもに伝える 世界一のお金の教育
新井 亨(あらい・とおる)
サブスクD2C総研株式会社代表取締役。ARAIインベストメント代表、株式会社Telemarketing One代表取締役。英国ウェールズ大MBA卒業。中国・北京へ留学、現地で富裕層向け美容室事業、貿易事業、不動産事業など複数事業を成功へ導く。2024年には東京証券取引所へ新規上場。サブスク事業などクライアントのマネタイズ実績累計1,000億円以上。医療法人理事に就任、「新宿クリニック」「表参道総合クリニック」など経営。国内外の華僑ビジネスにも深く精通、「華僑経営オンラインスクール」塾長。

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