本記事は、小山 昇氏の著書『最強の仕組み「整頓の科学」』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
三定管理で「ものの置き方」を徹底する
「定品」「定位置」「定量」の3つを整える
整頓の基本は、「ものの置き方を揃える」ことです。ものの置き方が揃うことで、会社の価値観や仕事の手順も揃い始めます。
ですが、ものを置くときに、「自発的に向きを揃えてくれる社員」を期待してはいけません。「ものはきれいに揃えて置こう」と呼びかけるだけでは、きれいに揃うはずがありません。
なぜなら、「きれい」の感覚は人によって違うからです。ある社員にとっての「きれい」は、別の社員にとっては「まだ散らかっている」状態かもしれません。感覚をベースにしているうちは、いつまで経っても現場のやり方は統一されません。
そこで必要になるのが、会社の基準です。武蔵野は、「この状態をきれいとする」と決め、置く向き、並べ方、間隔、数量まで具体的に示してます。基準があれば、誰が見ても同じ状態に揃えられます。
整頓で必要なのは、個人の意識に頼るのではなく、仕組みをつくることです。誰がやっても、
「決められた場所に、決められた向きで置ける」
工夫が必要です。
そこでわが社では、「三定管理」を徹底しています。
三定管理とは、「何を」「どこに」「どれくらい」置くのかを明確にして管理する手法です。
【三定管理】
① 何を=「定品」:ものの名前を表示する
② どこに=「定位置」:置く場所を表示する
③ どれくらい=「定量」:数を表示する
わが社は三定を、名前、数字、色、記号などを使って明示しています(管理責任者も決めています)。
「定品」「定位置」「定量」の3つを整えることで、何を、どこに、どれだけ置くのかが明確になります。社員は迷わずものを取り出し、使った後も元の場所に戻せます。
その結果、ものを探す時間が減ります。戻す場所に迷わなくなります。足りないものや余っているものに、すぐ気づけます。
ものの置き方を揃えることは、仕事の進め方を揃えることでもあります。
徹底とは、「他人が見たら異常と思う結果にすること」です。
決まった場所に、決まったものを置く。向きを揃えて「1ミリ」もずらさず、定位置に戻す。そのために武蔵野の現場で、さまざまな工夫をしています。
1948年山梨県生まれ。東京経済大学卒業後、1976年に日本サービスマーチャンダイザー(現・武蔵野)に入社。一時期、独立して自身の会社を経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰し、1989年より社長に就任。赤字続きだった武蔵野を売上70億円(社長就任時の10倍)を超える優良企業に育てる。
2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、700社超の会員企業をサポートし、400社が過去最高益となっているほか、全国の経営者向けに年間240回以上の講演・セミナーを開催している。
1999年度「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。2000年度、2010年度には中小企業部門では日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞。2023年「DX認定制度」認定。2025年・2026年、健康経営への取り組みが評価され、健康経営優良法人「ホワイト500」に認定。
『経営者のための生成AI組織的活用の教科書』『1%の社長しか知らない銀行とお金の話』『人が輝く経営のすごい仕組み』『生成AIでわかった経営者のための人財定着術』(いずれもあさ出版)、『会社を絶対潰さない 組織の強化書』(KADOKAWA)、『「儲かる会社」の心理的安全性』(SBクリエイティブ)、『改訂4版 仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)など著書多数。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
