ご存知な方が多いとは思いますが、来年から「少額投資非課税制度」通称「NISA」が始まります。

実は、私の周りでは、「NISA」という名前は聞いたことがある、もしくは、案内はよく見るけど、制度自体はよく知らないという方が意外と多くいらっしゃいます。また、対象金額が年間100万円しかないため、この制度の恩恵をあまり受けられず、そもそも申し込み自体する気がないという富裕層の方々も多くいらっしゃいます。

そこで、今回は、「NISA」の制度内容と、その活用方法について簡単にお伝えできればと思っております。

【参考】

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◉「NISA(ニーサ)」の概要と趣旨について


NISAとは、2014年から2023年の間に、新たにNISA専用口座で株式や投資信託を購入した場合、年間100万円までの投資金額に対して、5年間は配当や売却益が非課税になるという制度です。
2014年から投資を始めた場合、2018年まで毎年100万円ずつ、計500万円が非課税対象枠となります。

ちなみに、この年間100万円の非課税枠は一度売却するとその分を二度は使えません。また、NISAの口座で年間70万円しか投資しなかった場合、その未使用分を翌年に持ち越すこともできません。

この制度の趣旨としては、この非課税枠を呼び水として、今まで投資をしたことがなかった方々を呼び込もうということです。
しかし、今年で証券優遇税制が終了し、今まで課税率10%だったものが20%に戻るのに伴い、NISAが始まることを考えると、総額500万円の非課税枠でお茶を濁し、それどころか、富裕層からはしっかり税金を取ろうという意図も見えてきます。相続税の改正等も合わせて考えると、今後、富裕層の方々の負担が増えていきそうなことは、目にみえてきます。益々、ご自身の資産をしっかり運用していく必要が出てくるのではないでしょうか。

それでは、以下、NISAの注意点と具体的な活用方法をご参考までに、4点紹介していきます。


①NISA(ニーサ)は損益通算ができない点に注意


NISAで投資した銘柄が、100倍になった場合、その利益に対する課税はゼロです。そこだけ着目しますと、とても魅力的な制度のように見えます。
しかし、逆に投資した銘柄が値下がり、確定損失を出してしまった場合には、その損失を利益が出た分と相殺することはできません。ですから、仕手株や、ブル・ベア投信等、値上がり益を目的に投資するような場合には、NISAを使わず、損益通算をできるようにしておいた方が、結局はメリットが大きい場合もある点に注意して下さい。

また、先述しました通り、一旦売却してしまうと、その分はもう使えなくなってしまうことも考慮しますと、基本、NISAは短期の値上がり益を狙うよりも、比較的売却時期を選ばず、長期的な成長やインカムゲインを目的に保有する場合に利用した方が向いているでしょう。


②NISA(ニーサ)を高配当・優待目的の銘柄で利用する


株主優待には、ネットや雑誌の特集でもよく組まれているように、様々なものがあります。最低単元から優待がもらえる銘柄も多く、年間100万円以内でも投資できる銘柄は沢山あります。また、保有し続けていれば、権利確定日が来る毎に、優待も貰えますので、気になっている株主優待のある方はぜひ、この機会に利用してみるのも良いかもしれません。

私の知人の中には、デパートの優待券から飲食店、お米券をくれる企業等、様々な株主優待を活用している方もいらっしゃいます。すると当然、普通に生活しているよりも、生活費がかかりません。その分、彼らは新たな株式や、ロレックスの腕時計(限定版!)を買ったりして、換金性の高いもの、つまりは着々と資産が増えているのです。
株主優待は意外とばかにならないですね。

また、高配当な銘柄も長期保有に向いていますので、TPP関連で注目されている銘柄等には、配当も比較的高く、成長を見込めそうな銘柄もあり、例え100万円でもNISAを利用して投資してみるのも面白いと思います。