樹脂・繊維などの化学製品を供給するクラレ <3405> は12月24日、2014年12月期の業績予想を下方修正し、経常利益が7%減となる見通しを明らかにした。業績予想の下方修正に対して、発表後の取り引きで株価が下落基調に転じるなど、市場も反応を見せている。

クラレは樹脂フィルムやポリエステル繊維などの製造・販売をかねてから進めており、2014年6月に米・化学メーカー大手のデュポンからビニルアセテート関連事業を取得。事業のさらなる拡大が目指されていた。

今回の業績の下方修正はデュポンから取得したビニルアセテート事業の資産や負債の取得に伴う影響を反映したもの。営業利益は前回予想で440億円だったところ、6.8%低下し410億円、経常利益については430億円から400億円に修正した。

具体的な業績下方修正の理由としては、のれん代償却費等が13億円から30億円に増加し、43億円となった。欧州独占禁止法上の事業取得許可条件とされたポリビニルブチラール(PVB)シート事業の一部売却の影響も確定し、売却損が約60億円発生することも明らかにされた。

株式市場でもすでに反応しており、始値1480円で始まった22日の取り引きでは、1500まで続伸したが、業績下方修正が公表された11時付近からから下落し始め。一時、1415円まで急落した。その後、いくぶんか持ち直し13時48分時点で、同社の株価は1433円となっている。

(ZUU online)

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