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資産運用で高まるセカンドオピニオンの重要性

資産運用において、セカンドオピニオンの重要性が高まってきている。

「セカンドオピニオン」とは、医療業界で近年言われるようになったものであり、患者自身が納得できる治療法を選択できるよう、病状の診断内容、治療方針等について現在診療を受けている医師とは別の医師に「第二の専門家としての意見」を受けることだ。医療業界は日進月歩で技術や治療法が進んでいるが、今受診している医師がこれらすべてを知っているとは限らない。また受診する医療機関によっては治療方法も異なってくる。そこで必要となってくるのがセカンドオピニオンだ。

資産運用においても医療業界と同様、自己の判断が正しいのか専門家の意見を聞くことも多いだろう。その際、セカンドオピニオンからの助言を受けることで資産運用の成功率が高まることは多い。事実、資産運用で成功している人々の間では、専門家を複数人選んで助言を受けるのが一般的となっている。

資産運用にセカンドオピニオンをつけるメリット

資産運用においてセカンドオピニオンをつけると、①ファーストオピニオンの専門外の分野で意見をもらえる、②担当者の提案の質が向上する、③サービス利用にかかる費用が抑えられる、という3つのメリットがある。

まず、①ファーストオピニオンの専門外の分野で意見をもらえるというメリットについて。

資産運用では、広い分野からの高度な専門性と十分な経験を求められる。専門家一人ですべての分野に対応可能というわけはなく、専門家にも得手・不得手な分野は当然ある。分かりやすくするために医療業界を例にすると、内科、外科、小児科、産婦人科など専門が分かれているように、資産運用においても、株式、投資信託、為替、債券、不動産投資、保険など専門分野が分かれており、個々の専門性も異なってくる。専門分野外の意見をセカンドオピニオンから受けることで、資産運用の成功率を高めることができるというわけだ。

②担当者の提案の質が向上するというメリットがあるという点について。

セカンドオピニオンを求めることで新たな担当者と出会う回数が増える。すなわち今受けているアドバイス以上の提案をする担当者に出会う機会も増える。セカンドオピニオンからアドバイスを受けているということをファーストオピニオンに伝えることで、ファーストオピニオンにも緊張感が生まれ、提案の質の向上が期待される。自社と同じ分野の資産運用会社の提案の話をすることで、単独で提案される場合と比べより良い提案をしようという気持ちが出てくるのは、逆の立場になって考えれば容易に想像できるだろう。

最後に、③サービス利用にかかる費用が抑えられるというメリットについて。

ファーストオピニオンと同じ分野でセカンドオピニオンが金融商品を勧めてくる場合、資産自体は同様のものであっても取引手数料や維持費といったコストを抑えて提案してくることが多い。ファーストオピニオンとセカンドオピニオンとではアドバイスのみならず、コスト面でも競争を行い、資産運用者全体としての魅力をアピールしてくるため、運用コストが下がる利点がある。また、金融商品を直接勧めないファイナンシャルプランナー等であっても、顧客のために現在の手数料を引き下げてくれる先を紹介するケースも多々あると聞く。

資産運用のセカンドオピニオンが当たり前の時代に

2015年の消費税率引き上げは延期されたが、将来引き上げが行われないわけではない。また、そのほかにインフレ等も予想され、来年や再来年にかけて金融市場の大暴落を予言している伝説の投資家ジム・ロジャーズ氏をはじめとする金融関係者も多く、資産運用のリスクが高まりつつある。リスクを避けつつ、着実なリターンを上げていくためには資産運用の分野でもセカンドオピニオンがより重要な存在となり、その積極的な活用が求められるだろう。

photo credit: TK_Presse via photopin cc

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