「提案サービス」が「楽待」を高利益率に導く
「提案サービス」が支持され、会員数、物件掲載数を順調に伸ばしている「楽待」だが、高い利益率はどのように生み出されているのか。
2014年7月期の売上高は577,148千円(前年同期337,851千円)で前年比約171%、営業利益は274,011千円(同74,731千円)で同約367%となっている。営業利益率は約47%と非常に高い。
対象が「住宅用不動産」と異なるものの、「O-uccino」という不動産ポータルサイトを運営しているオウチーノ 〈6084〉は、2013年12月期の売上高は1,629,470千円、営業利益は255,823千円、営業利益率は約16%である。売上規模は「楽待」の2倍以上ではあるが、営業利益では下回っている。
営業利益率の差は何を意味しているのか。それぞれの売上原価に着目してみると、「O-uccino」の売上原価は561,899千円で売上原価率は約35%であり、「楽待」は52,130千円で売上原価率約9%と大きな差がある。こうした売上原価率の違いにより、「O-uccino」と「楽待」のビジネスモデルの違いが浮き彫りになる。
「O-uccino」は、不動産会社やリフォーム会社などのクライアントからの掲載料が主な収益源となっている。そのため、クライアントの物件情報をユーザーへ伝えることが「O-uccino」のメインサービスとなる。「楽待」も同様に「物件掲載サービス」を手がけているが、違いは「提案サービス」の存在だ。物件情報をサイトに掲載するビジネスは、クライアントが不特定多数のユーザーに対し“一方的”に情報を提供しなければならないのである。情報をわかりやすく、タイムリーに伝えるために、物件情報を小まめにメンテナンスしたり、クライアントのためにサイトの管理機能を充実させたりと、サイト維持のためにコストがかかる。「O-uccino」の場合、売上原価の約83%が外注費と労務費であり、サイト維持にかなりのコストがかかっていることがわかる。その点、「楽待」は従業員数が16人(2014年7月期)と、少人数ながら外注費はほとんど発生していない。
「楽待」が展開する「提案サービス」は、収益拡大のための営業ツールだけではなく、“双方向”のサイト運営を実現することにより、運営の効率化が図れ、自社の運営コスト削減に大きく寄与しているのである。「楽待」というインフラを利用した、いわゆる“チャリンチャリン型”の高収益ビジネスモデルに成功している。
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(ZUU online)