ECB、ギリシャへの扉を閉める
ECB(欧州中央銀行)は4日、「ギリシャ国債への適格担保ルール適用除外を解除する」と声明を発表。ECBは担保となるギリシャ国債に特別措置を設けることで、ギリシャへの融資を可能にさせていたが、今回の声明はそれを廃止するものだ。ギリシャ国債は2月11日から、政府保証の銀行債については3月1日から適格担保から外れる。一方、ギリシャ中央銀行を通じた緊急流動性支援(ELA)は承認し、更新する考えだ。ECBはギリシャに対し、トロイカとしての融資、ギリシャ中央銀行を通じた緊急流動性支援(ELA)での融資、さらにギリシャ国債を適格担保としての融資を行っていた。
バルファキス・ギリシャ財務相の行脚成果は?
欧州各国を訪問しているギリシャ・バルファキス財務相は、パリ、ロンドン、ローマを経て4日、ECBを訪問した。バルファキス財務省は記者団に対し、ドラギECB総裁との会談は大変有意義であった、と満足感を表している。バルファキス財務相は会談で、「金利支払いを経済成長に連動させること」「債務の額を変えずに負担を減らすことは可能である」との自論を展開し、「将来に希望が持てるすばらしいコミュニケーションの道を確立できた」と、ドラギ総裁から励みを得たことをECB本部での会談で明らかにした。
バルファキス氏は、3日にローマでパドワン伊経済・財務相と会談した際、2月末に終わるEUの支援プログラム延長を拒否し、6月に独自の財政再建計画を実行に移すことを目指していると述べた。そのために債権返済をめぐり4~6週間以内の「つなぎ」の合意のための交渉が必要と語っていた。
一方、IMF国際通貨基金は4日、「債務の枠組み変更についてギリシャと協議はしていない」と声明を発表した。これを受けて4日、為替市場では不安心理が高まり、NY市場でユーロは終盤1.1315ドルまで急落している。
なお、5日のベルリンでのギリシャ・ドイツ財務相会談はすれ違いに終わり、バルファキス財務相は大きな成果もなく帰国したようだ。ギリシャは期限までに債務問題を巡る課題をこなせるのか。時間はあまり残されていない。
ユーロ圏離脱への決断、タイムリミットは?
3週間ほど前に、国際機関の関係者が、年央まではなんとか持ちこたえられると予想していたのに反し、ブルームバーグが伝えるところによると、実はギリシャはあと3週間もすれば資金の底がつくと、関係者が明かしているという。
ギリシャ国民が一斉に銀行預金からの引き揚げを進めているなかで、社会保障基金に手を付けたとしても、2月25日には、ギリシャの資金は空になるとのことだ。
バルファキス財務相は、緊縮政策を強いるEUからの支援は受けいれない意を表明しているが、実際のところ、ギリシャに残された選択肢として、救済条件を受け入れるか、ユーロ圏を離脱するか、3月末までには決断を迫られるであろう。
(ZUU online)
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