国際的に顧客満足度調査・コンサルティングを行うJ.D.パワーアジア・パシフィックは2月17日、2015年日本住宅ローンについての顧客満足度調査の結果を発表し、金利のほかに、安心感や簡便さが顧客満足度に大きく影響していることを明らかにした。
同調査は住宅ローンを契約している個人を対象に、借入先の金融機関での契約時や返済時における経験、各種サービスへの満足度を調べたもので、全国20歳以上の男女を対象にしている(2014年11月に実施、契約編5137人、返済編1万1777人の合計1万6914人が回答)。
今回の調査では、住宅ローンの利用者が契約先の金融機関を選択するにあたって重要視した点に「金利」を挙げる割合がやや減る一方で、「申込みや審査、契約手続きが簡単」「会社の知名度・信用度」が増えた。J.D.パワーも、金利の引下げ競争が激化する中で、消費者目線では各社の価格差が見えづらくなり、簡単、安心、といった点に決め手が移りつつあるとみている。
また、顧客満足度においては、対面銀行部門(対象60行)では、「各種案内/手続き」がトップ評価を得て「店舗施設」でも高く評価された大垣共立銀行 <8361> が1位を獲得。新形態銀行部門(対象5行)では、「各種案内/手続き」「顧客対応」で1位にランクインしたソニー銀行が、最も高い顧客満足度を得ている結果となった。
ほかにも、調査結果から、住宅ローン利用者の考えの一部も判明、住宅ローンを現在、借りている個人のうち、今後の住宅ローン金利は「変わらない、または低下する」と答えた人は49%で、前回調査の31%から大幅に増えた。住宅ローンの金利低下が進む中、消費者の金利に対する先安観が広がっているようだ。借換えの動きも鈍化している様子がうかがわれ、2014年は消費税増税後に新規住宅販売が低迷した中、金利先安観の広がりで借換え需要も鈍化し、住宅ローン市場全体が冷え込んだ可能性が高いと同社はみている。
他方で、住宅ローンの適用金利も一段と低下、直近1年に住宅ローンを契約した人の平均金利は、変動金利0.80%、期間固定金利1.20%、全期間固定金利1.85%で、特に変動は0.6%以下、期間固定は0.9%以下、全期間固定は1%前半が前回から増えた。
直近1年に住宅ローンを契約した人の金利タイプは変動金利が49%で、前回から3ポイント増えた。変動金利はこれまで東京・大阪近郊や大手企業勤務者に多い傾向だったが、この1年では中京圏や中小企業勤務者、年収が高くない人など、これまで固定金利を選ぶことが多かった人でも利用が増えている。
(ZUU online)
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