すかいらーく,むさしの森珈琲,企業戦略
(写真=Thinkstock/Getty Images)

すかいらーく <3197> は3月7日に横浜市南区六ッ川に国内初の新型コーヒー店舗となる「むさしの森珈琲」をオープンすると発表し話題となっている。運営はニラックス株式会社によるものだが、すかいらーくグループとしては新規にカフェ業界に乗り出す。この店は既存店からの転換によるもので、ブランドポートフォリオの最適化策の一つであり、今後この業態への拡大がはかられるかどうかも大きな注目点となる。

すかいらーくは1970年創業で業界の草分け的存在で、なにより同名のファミレスの利用経験がある方は多いことだろう。しかし業績低迷が続き、2006年には当時の経営陣によるMBO(自社買収)に踏み切り非上場化となり、経営合理化による再上場を目論んでいたが2011年に世界屈指の米国のファンド・ベインキャピタルにより買収され、経営の建て直しに成功している。このベインキャピタルは直近では大江戸温泉を買収したことでも話題となったファンドだ。


脱ファミリー志向で復活したすかいらーく

ベインキャピタルはすかいらーく買収後、まず不採算店のリストラを進め、街道沿いの店に家族連れが来るというコンセプトが時代に合わないことを見抜き、いち早く脱ファミリー依存にシフトし、シニア層による朝食利用や午後時間帯の女性グループ客の獲得などを実現して業績を急回復させた。すかいらーくは2014年10月に東証一部に再上場し、2014年12月期の利益は前年比33.6%の94億7900万円を達成するに至っている。

同年10月以降、ベインキャピタルがGPとなる香港のファンド2本がすかいらーくの95%を超える株主となっており、ベインはそのファンドの実質的マネジメント会社となることから、すかいらーくの関連当時者となっている。


既存店の積極的ブランド転換から生まれた新業態

すかいらーくグループは、洋食、和食、中華、イタリアン、しゃぶしゃぶ、焼肉などの多様なブランド展開を行っているが、その立地に応じて、小額投資で顧客嗜好や利用動機の変化に応じたブランド転換を進めている。、今回のむさしの森珈琲はおはしCaféガスト六ッ川店からカフェ業態へのブランド転換一号店となる。同社は2014年だけでも新規出店44店に対しブランド転換26店、リモデル(店舗内外刷新)332店を実施しており、すでにカスタマーインサイトに適合したブランド転換のノウハウを構築している。


カフェ業態には新規参入による拡大余地ありとみるすかいらーく

今回のカフェ業態オープンにあたって同社から出されたリリースによれば、カフェ業態は客単価1000円程度で空間、こだわりの珈琲、看板デザートなどを売りにしたロードサイド店が成長しており、2013年の喫茶店市場規模は前年比4%増の1兆602億円となっている。しかしながら既存の上位企業のシェア合計は10%に届いておらず、まだこのタイミングでは新規参入によるシェア獲得が可能とみる戦略が伺える。

実際横浜市六ッ川の店舗立地はこの条件にぴったり当てはまるもので、同店がしっかりとした収益力を上げれば、さらに全国的に既存店のカフェ業態へのブランド転換がはかられるものと考えられる。

既に国内の飲食店市場は縮小段階に入ってきており、いかに顧客の嗜好と立地環境に合わせて適切な投資最適化を実現できるかどうかが利益確保の大きなポイントとなってきている。その意味ではこれまで一定以上の成功を収めてきたすかいらーくのさらなる新規業態転換が成功を遂げることができるのかどうかに大きな関心が注がれることになりそうだ。 (ZUU online 編集部)

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