(写真=押田裕太)
フィリッペ・ジアード氏は、 2013 年のウォールストリート・ジャーナルが選ぶ「全米不動産ビジネスパーソン 13 位」を獲得し、ラスベガスにおいては 1 位に輝くアメリカ不動産業界の雄だ。氏が指揮を執るアップルトン・プロパティー社は総額 2,000 億円以上の開発プロジェクト成功経験を持ち、ヘッジファンドからも運用を任されるほどだ。
親交の深いリードリアル・エステート社の新ウェブサイト『 GLOBAL ESTATE』 オープンを記念し、来日したジアード氏。ラスベガスの頂点に立つジアード氏が捉える今のアメリカ不動産と氏の成功体験について聞いてみた――。
アメリカ市場全体からみたラスベガスの不動産とは?
ラスベガスの不動産市場は、アメリカの中でも最もアップダウンが激しいのが一番の特徴だ。アメリカの不動産市場の景気がいいときは一番早いスピードでその価値が成長していたが、景気が悪くなると一気にその価値が下がった。しかし、その価値が下がっていた最中も、全州の中で最も取引数が多いところでもあった。このように、その価値や取引数が激しく変化するというのがラスベガスの不動産市場の特徴であり、危険な市場だと言えるだろう。だが、同時にその特徴や要素を把握することができれば多くの利益を上げることができる市場だ。
去年の不動産の評価額は 22 %くらい増加しており、今年もだいたい 8 %増加している。失業率も 7 %くらいまで下がってきており、景気は上向いている。
失業率が低いということはよりたくさんの人が働けるわけで、また多くの人が家を買うことができる。 2013 年に不動産を購入した人の 60 %がキャッシュだった。マーケットの状況が改善されるにつれ、投資家の利幅が下がっていき、投資家がマーケットから離れていった。そして投資家がマーケットから離れたことにより今度はエンドバイヤー、つまり一般個人が不動産を買う段階になったが、同時に多くの不動産を買っていた投資家がマーケットを離れたことにより、需要に対して供給が大きいといった状況が起きている。これによりマーケットが上昇してきている。
もう一つ重要なことは、ラスベガスは最も急速に価値を失った州であって、現在はその回復段階にあるため、今最も価値が伸びてきているというのはごく自然なことだ。この点からもラスベガスは非常に良いマーケットだと言えるだろう。