スカイマーク
(写真=Thinkstock/Getty Images)
スカイマークの再建策が本格的に検討され始めている。現在その中心にあるのが既に締結した投資ファンドのインテグラルだ。出資や提携などの申し入れのあった各社の内容を吟味しながら今年5月中には再生計画案が提出される見込みとなっている。

インテグラル社は当該契約に基づき運転資金として90億円をスカイマークに融資する方針を打ち出しており、今後さらに追加融資の可能性も示唆している。


再上場を視野にいれるインテグラル



今回スカイマークの再生支援を行うインテグラルは知名度は低いが、これまでにもヨウジヤマモトやアパマンショップなどに投資をしてきた実績がある。阪急ホールディングスと阪神電鉄との統合交渉で当時の村上ファンドと交渉にあたった佐山展生氏が代表取締役を務めている。

同氏は一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授も兼任しており、異色の存在といえる。佐山氏はブルームバーグのインタビューに応え、投資期間は5年から6年を見込んでおり、可能性があれば再上場も視野に入れるとしている。当座の運転資金を確保できたスカイマークだが、再建の道のりは険しい。

航空業界における破綻は日本航空の事例と比較されがちだからだ。だが、国策である航空会社の破綻再生とスカイマークとでは、国から受けられる支援規模などの内容がまったく異なり、比較対象にはならない。


スカイマーク独自の経営スタイルには限界も



スカイマークは国内第三極の格安航空会社として1996年にHISの澤田社長が設立した会社だ。その経営は資金面でも独特だ。社債の発行残高がなく、銀行からの短期、長期借入金がない、いわば無借金経営を貫いてきている。

しかし2014年3月期以降売上げは維持できたものの純損失が膨らみだし、現金預金は2013年3月期231億あったものが2014年3月には70億、さらに2014年9月の半期決算期には45億円、倒産直前には10億円未満へと減少し、資金繰りに行き詰まっていたことが伺える。

通常メインバンクなどが大口債権者であれば、資金枯渇状況になれば追加融資を受けることや、債権放棄などによる救済支援も考えられる。しかし、スカイマークにはメインバンクが存在しておらず、現状では専らリース会社と外資の航空機会社が大口債権者であるという点でも、他の事例とは大きく異なっている。

債務の減免についてはインテグラルの支援である程度の決着がつく可能性が高いが、依然として資金調達には不安が残る。また大口債権者が外資であることを考えれば破産というリスクも残されている。


ビジネスオペレーションの改善には同業者の協力が不可欠



負債の減免、資金繰りの問題もさることながら、航空旅客ビジネスのプロセスにおける効率化と安全性の確保の両立という点では同業他社との提携や協業がこれまで以上に必要になる。国内ではANAが業務提携を打診しているが、これが実現すればオペレーション上のリスクがかなり低減する。

しかし、これまでのような格安航空運賃の提供がどこまで貫きとおせるのか大きな疑問として残る。また結果としてANAグループに取り込まれることも考えられ、第三極としての座を守ることができなくなる可能性も高くなる。

その場合には独自の再上場からも遠ざかる。スカイマーク破綻後には広範な企業各社からの支援要請があがったが、支援をテコにどこまで経営を改善することができるかが大きな課題となる。

インテグラルの支援はスカイマークにとって心強い存在となるが、それだけですべてが解決したわけではない。このビジネスを再び軌道に乗せるためには、まだまだ茨の道が待っている。(ZUU online 編集部)

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