3月10日東京外国為替市場では、米国の早期利上げ観測からおよそ7年8か月ぶりに1ドル=122円台まで下落した。昨年10月末の日本銀行による追加の金融緩和で一段と円安が進み、今なおその水準で推移。各企業の決算が集中する3月期末が迫る中、海外売上比率の高い輸出企業を中心に円安による業績への効果が期待される。そこで今回は、円安関連の銘柄をピックアップしてみる。
1.ブリジストン <5108>
タイヤ製造で世界トップシェアを誇る。米国では個人消費増加により乗用車・小型トラック用タイヤの販売本数が前年を上回り順調に推移。円安効果などで2014年度12月期決算の純利益は前年同期比48.8%増の3005億8900万円と過去最高益となった。
2.富士機械製造 <6134>
電子部品の組立機大手。輸出は中国向けが大半だが、米国向けも売上高に対し12.7%、ヨーロッパ10.7%と為替変動の効果が大きい。
3.クボタ <6326>
農業機械のトップメーカー。北米、欧州での増販に加え、円安により機械部門、水・環境部門も売り上げが伸び、海外売上高全体は16.4%増と2ケタのアップ。国内の売り上げ減少をカバーし、全体の営業利益増加要因となった。
4.TDK <6762>
電子部品大手で、海外での売り上げが全体の9割を超える。スマートフォン関連の販売が好調で、展開する全てのセグメントで売上高が過去最高を更新。昨年10月以降、株価も右肩上がりで順調に推移している。
5.アドバンテスト <6857>
半導体デバイスの測定器など大手メーカー。スマートフォン用半導体が好調で、売上高は2015年3月期第3四半期で前年同期比51.3%増の1,199億と大幅な上昇となった。海外売上比率は91.7%。