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最近はアベノミクスによる株式市場の活況をうけ、IPOが続々と行われています。活発化する様子を「IPOバブル」などと呼ぶ見方もあるようです。今年も残り1か月を切りましたが、12月中にも多くのIPOが予定されています。その中でも今回は、2013年12月18日に東証マザーズに上場予定であるシグマクシスのIPOについて論じていきたいと思います。

【参考記事】

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2013年、IPOブームの羅針盤〜フェイスブック(Facebook)上場に学ぶ勝者と敗者〜
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●株式会社シグマクシスの概要


シグマクシスは2008年に三菱商事グループ技術(IT)サービスとコンサルティングサービスの強化を目的に設立された、 企業向けビジネスコンサルティング会社 です。 三菱商事の子会社 であり、「企業の課題解決と企業価値最大化」を理念に掲げて各種事業を展開しています。 顧客は各業界のリーディングカンパニーで国際的な大企業が中心です。特徴として、 従来のコンサルティング手法とは異なる 「アグリゲーション」 という独自の手法を駆使し、顧客のニーズに応えている点が挙げられます。コンサルティングといってもその分野は多岐に渡りますが、シグマクシスは 「戦略コンサルティング」 「業務コンサルティング」 、そして 「システム設計・開発及びプロジェクトマネジメント」 の3つの分野に特化してコンサルティングを行うことで差別化を図っているようです。

この3つの分野を簡単に解説しておきます。まず 「戦略コンサルティング」 とは事業戦略の立案や策定、事業買収・売却、新規事業立ち上げ、研修プログラムなどを通じた企業活動の活性化を支援するサービスを指し、 「業務コンサルティング」 とは、経営管理や人材管理、グループ企業の運営体制構築、顧客管理、 経営管理や人材管理、グループ企業の運営体制構築、顧客管理、サプライチェーン(供給網)管理、金融機関の基幹システム構築、金融ネット犯罪の対策など企業の業務に関する支援サービスのことを指します。そして 「システム設計・開発及びプロジェクトマネジメント」 とは、戦略実行のスピード向上のため、既存のソフトウェアを組み合わせて、必要な業務システムの構築・導入(システム・アセンブリー)を行い、環境変化に強いITシステムを短期間に設計・開発・導入するサービスのことを指します。

業績については、 2012年3月期の黒字転換以降に急激な伸び が見られ、 2013年3月期決算では売上高100億円、純利益11億円を記録するなど順調に成長 しているといえます。以下に平成21年から平成25年までのシグマクシスの決算を掲載しておきます。下記のグラフをご覧になればお分かりのように、売上高、経常利益ともに右肩上がりを継続しています。


出典:The Goal


●シグマクシスが上場に至った背景


シグマクシスが公表している、上場申請のための有価証券報告書によると、今回の上場の目的は 「東南アジアへの進出拠点となる海外オフィスの開設費用」 および 「コンサルタントの採用・育成費用」 に必要な資金の確保を行うためとされています 。今期の 業績は国内経済の回復を背景に拡大。昨年のビジネスコンサルティング市場は 前年比6%増の 2744億円 となり、ほぼ横ばいだった前々年から成長軌道に回復しています 。顧客企業のシステム開発やそのPMO(プロジェクト管理オフィス)に関する案件を複数獲得するなど、ターゲット顧客との取引が順調に拡大することで業績をけん引していると言えそうです 。こうした好業績を背景に、今後は更なる案件数の拡大を目指して、事業の拡大化を図っていく方針であると見られます。今回の上場はそれに向けた大きな1歩と言えるでしょう。