組織の変革には必ず抵抗勢力が現れる

あらゆる組織改革で最大の問題となるのは、組織内に抵抗勢力が生まれることだ。積極的な抵抗でなくとも、変革の必要性を十分に理解せず、変化を受け入れない組織構成員が登場することはしばしば起こりうる。それがチェンジマネジメントの成功のための大きな障害となる事態は、どんな企業でも発生する共通問題だ。

たとえばクラウドコンピューティングは、新規事業や既存事業の拡大、グローバル展開を実現するためのさまざまな要件を短期間でクリアできる強い味方であり、ITに詳しい者ならば誰しも関心をもつサービスだ。しかし実際の導入にあたっては、ITにもっとも詳しいはずの情報システム部門が真っ先に反対するケースが多く見られる。

年間に一定の大きな予算をもって業務を遂行する部門は、その予算維持が自らの既得権益と権限につながると自覚しているため、クラウドへの移行による権益の消滅に異を唱える事例が後を絶たない。本来、総論では十分に理解できても、各論では反対する者が組織には多数存在しており、これをどのように取り除いて変革を進めるかが、経営層の大きな課題となるのだ。


最大のポイントは"共通言語"と具体的なプラン

経営者の発言に従業員の誰もが注目することは当然だが、相手の受容度に合わせて伝え方を工夫しなくては、結局は理解されないことになる。こうした組織内での各部門、部署へのコミュニケーションプランをいかに最適化し、相手の心に響くものにするのか、それが実は最大のポイントである。

経営者といえども、社内でコミュニケーションをとる場合には、相手に届くプロトコル(共通言語)が必要だ。そのためには、社内構成員の誰が聞いても理解できる変革の必要性や、熱意をつたえなくてはいけない。また各部門の利害にあわせた、納得のいく説明と補完的なアプリケーションも必要だ。

欧米の企業経営者は、社内コミュニケーションとチェンジマネジメントの実現に対して、それなりの訓練を受けている。しかし多く国内企業は、経営層が従業員に寄り添ったコミュニケーションをはかることに慣れていない。

チェンジマネジメントの成功は、まさにこの経営者レベルのコミュニケーション術の積み上げからはじまる。そのことを十二分に理解することが第一歩である。(ZUU online 編集部)

【関連記事】
J:COMが4K対応のコンテンツ配信へ
日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
日経新聞・四季報などがネット上で全て閲覧可!?その意外な方法とは
JPXが新たに3指数の運用開始へ
10万円以下でも買える?2015年の目玉LINE株を上場前に買う2つの方法