高層階からの眺め
(写真=筆者撮影)プール付き住宅なども見られる―高層階からの眺め

空の玄関コタカエアポートの裏手に広がるスピンテックスという地域は、今でこそ商業・住宅エリアに変貌しているが、15年程前には何もない空き地だったという。その二束三文だった土地を買い、母国から親族を呼び寄せ、手広く商売をしているのが、レバノン人だ。ガーナ生まれのガーナ国籍を持つ2世世代も労働年齢に達してきている。新しいイタリアンレストランのオーナーを見ると、レバノン人が経営していた、というようなことがよくある。同様に、現地に根ざして貿易関係の商売を行うインド人も多い。

以前は日本特有の「敷金・礼金」という慣習を、世界でも有数の初期費用の高さだといかぶしく思っていたものだが、ガーナの不動産業界の常識に比べれば可愛いものだ。何しろ、ガーナの賃貸は2年前払いである。

外国人向けの高級住宅では1年前払い契約を認める場合もあるが、信用システムが確立されていないことから、2年一括前払いが基本なのである。無論そんな金額をキャッシュで払えるガーナ人は少ない。そのためガーナ人は、家を買うのではなく、家を借りるのに住宅ローンを利用している。

また土地は、基本的にチーフ(族長)の持ち物であり定期借地契約で建物を立てることが多い。一昔前に、現金収入に目がくらんだチーフが土地を売り払ったフリーホールドの土地もないことはないが、現在では安易に売り払われることはなくなっている。

実際にはフリーホールドではない土地を、フリーホールドとして外国人に販売して後に問題になる、というような話はよく耳にするので、現地の不動産取引においては信頼できる現地人のツテは欠かせないだろう。

<著者プロフィール>
大山 知春(おおやま・ちはる)
MBA取得後、2013年、ガーナにて、ECとコンサルティングを軸とした MindNET Technologies Ltd を共同設立、ガーナ初のファッションオンラインストア VIVIA を立ち上げる。その後、ガーナと日本の通商活性化を目的とした VIVIA JAPAN を設立。ガーナ原産天然素材を使ったオール・ナチュラル・スキンケアブランド JUJUBODY を展開する。

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