ガーナに限らずアフリカでは製造業がまだ発達していないため、「モノ」のほとんどは輸入品だ。当然、輸送コストや関税などがかかるため元の値段より高くなる。例えば、ブロッコリー。数日前に寄ったスーパーマーケットでは、一房55セディ(約1600円)で販売されていた。何の変哲もなく、しかも「たいして鮮度の良くない、葉先がちょっと茶色くなった」ブロッコリーが、である。

では輸入野菜ではなく、地元で収穫される野菜はどうかというと、トマト、キャベツ、人参、ピーマン、きゅうり、紫タマネギ、玉ねぎ、生姜、インゲンといった野菜が主流だが(これにあと5種類ぐらい足すとローカルの八百屋さんで見られる品揃えになる)、どれも状態はよろしくない。虫に食われて痛んでいたり、なんだか小さく貧弱な育ち具合。トマトなどは、しわしわに潰れている状態で販売されていることも多い。日本では、まず値引きされても店頭に並ばないクオリティーだ。

そんな地元産野菜でも、首都アクラだとキャベツ価格の相場はだいたい6セディ(約180円)。 アボガドが約80円、パイナップルが約65円ぐらいになる。輸送費や仲介が多く、現地の農産物もそれほど安くはない。

ガーナ料理は煮込み料理が多いため、地元の人は気にせず購入するが、こういった野菜を生食用に使う外国人はいないだろう。すると、スーパーの高い輸入野菜を使わざるをえず、何てことのないグリーンサラダを作るのに、100ドルかかってしまうというのは、決して冗談ではないのだ。

KFC クマシ店
(写真=筆者撮影)ガーナ第二の都市クマシに5月オープンしたばかりのKFC

また、マクドナルドは進出していないが、ケンタッキーフライドチキンが店を構えており、セットでだいたい600円弱程程度とファーストフードの値段も先進国と大きくは変わらない。