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(写真=リフォーム産業新聞)


「リノべ不動産」、加盟20社に

中古住宅の仲介とリノベーションをセットにしたビジネスモデルで売り上げを伸ばしているのが和久環組(わくわく・神奈川県横浜市)。2期目で年商は10億円と好調で、ノウハウを同業他社に提供する「リノべ不動産」というボランタリーチェーンもスタートした。鎌田友和社長は「2016年度中に100店舗」と意気込む。

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和久環組 鎌田友和社長
1978年、静岡県生まれ。不動産会社に13年勤務し、5000件以上の不動産取引に関わる。 2013年8月に和久環組を設立し、
代表取締役社長に就任。 14年にボランタリーチェーンネットワークの運営を行うリノべ不動産を設立、代表を務める。


ワンストップは年間80件

■和久環組は中古住宅を買って、リノベーションして住みたいユーザーに対し、物件探しから改修の設計・施工までを一貫してサービスしています。直近の決算はどれくらいの実績になりましたか。

ちょうど5月が2期目の決算だったのですが、ワンストップサービスの契約数は年間で約80件ありました。このリノベーションの売上高は約6億円になります。その他、仲介手数料や、「リノ売り」という再販事業などを含めると、全体で10億円になります。初年度は1億4000万円ほどの売り上げだったことを考えると順調に伸びてきています。今期は30億円を計画しています。

■リノベーションの平均単価はどれくらいになりますか。

700万~800万円になります。購入される不動産の平均価格は2500万円前後が多いです。リノベーションについてはビーチ、ノルディック、スタイリッシュなど7種のテイストから選べる「7feel(セブンフィール)」というメニューを提案しています。それぞれおおよその仕様が決まっています。

この中からまず自分の好みと合うものを選んでもらうんです。リノベーションというとフルオーダーと考えがちなのですが、お客さんはどんなテイストにしたいのか実際にはなかなかイメージできません。そのため、まず私どもがお勧めする中から選んでもらい、プランの方向性を決めて、具体的に設計していきます。

■不動産営業はどのような体制ですか。

社員は今30人ほどいますが、不動産の仲介を担当している社員が10人います。この営業担当が窓口となり、ワンストップの一連の業務を担います。現状は営業マン1人につき月1.5件の契約ができればまずまずといったところですね。


オープンハウスで集客

■集客はどのようにしているのでしょうか。

チラシと不動産サイトが中心になります。まずリノベーションに向いていると思った中古物件を探し、その物件のリノベーション後の完成イメージが分かるCGパースを作ります。さらに物件費用とリノべ費用を合算して、ローンを組んで買った場合の月々の支払い金額を割り出し、これら全ての情報をチラシやネットに載せてオープンハウスの告知をします。

■あくまでリノベーションすることを前提に中古住宅を販売するわけですね。

ウェブの告知では一般的な掲載方法に比べて3倍のページビューになっています。私どもはあくまで物件を軸に集客していきます。やはり「リノベーション」という言葉はまだまだ認知されていない。物件を軸に、家を買いたい人を集めて、そこに来ていただいた方に「中古を買ってリノベーション」という新しい家の買い方をお伝えするという方法をとっています。

■競合となる不動産会社はこのような手法をとらないのでしょうか。

一般的な不動産会社は新築や築年数の浅いきれいな物件や再販物件など、手数料が高かったり、売りやすかったりする物件を優先して販売します。しかし私どもは、あまり不動産会社が紹介しない築20~35年の古い物件を軸に集客しますので、サービス面で競合することはほとんどありません。物件が決まれば、リノベーションについては相見積もりもありませんからね。

■その和久環組のノウハウを他社に提供するネットワーク「リノべ不動産」を開始しました。

2月にスタートしました。現在20社から加盟契約をいただいています。集客のノウハウやツール、施工事例写真等を共有しています。さらに営業研修や提案をサポートするCGパースも提供していきます。ボランタリーチェーンは2016年度中に100店、2020年度に300店が目標です。(提供: リフォーム産業新聞 6月2日掲載)

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